イクメン夫が一転、中学時代の同級生と不倫→同棲 それでも50歳夫が「自分の居るべき場所がよく分からない」と漏らしたワケ
とつぜん、部屋へやって来た妻
「つい先日の夜、突然、瑠璃が僕らの部屋にやってきたんです。僕も佑香も固まってしまったけど、とりあえず上がればと言ったら上がってきた。そして部屋を見渡し、『こんな狭いところでふたりで暮らしてるのね。どういうつもりなんだか。家賃はあなたが払ってるの?』と静かな口調ながら、僕に迫ってきました。佑香が『私の名義の部屋なんです』というと、瑠璃は黙り込み、しばらく僕らをじっと見ていましたが、そのまま帰っていきました」
何が目的だったのかわからない。瑠璃さんが離婚したいならしかたがないと、博喜さんは腹をくくった。
「ただ、それほどまでに佑香がいいのかと言われると、僕自身もわからないんです。佑香と一緒にいると楽しいけど、瑠璃が嫌いになったわけでもない。なにより息子のことが気にかかる。佑香の夫は何も言ってこないけど、この先はわからない。自分では、それなりにしっかり生きてきたつもりなのに、実は優柔不断で曖昧な人間だとよくわかりました」
もしかしたら、自分がいるべき場所は瑠璃のもとでも佑香のもとでもないのだろうか。そう思うこともあると彼はひとりごちた。転勤族の父親とともに移動生活が多かった子ども時代から、彼はずっと心の奥で「自分の居場所」を求めてきたのかもしれない。
四十の「不惑」どころか、五十にして惑い続ける博喜さん――【前編】で中学時代の佑香さんとの交流、瑠璃さんとのなれそめを紹介している。
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