イクメン夫が一転、中学時代の同級生と不倫→同棲 それでも50歳夫が「自分の居るべき場所がよく分からない」と漏らしたワケ

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【前後編の後編/前編を読む】中村芝翫の不倫同棲に「僕のことかと…」2年に及ぶ浮気生活を続ける50歳夫の告白“妻が変貌した瞬間”

 笠井博喜さん(50歳・仮名=以下同)は、2年ほど前から不倫相手と半同棲生活を送っている。お相手は、中学時代の同級生・佑香さんだ。親の仕事の都合で中学校を2度転校、交友関係もつぎつぎ変わる少年時代を送った博喜さんだが、彼女のことだけは「忘れられなかった」という。だがその後は疎遠となり、伯母の紹介で知り合った10歳下の瑠璃さんと35歳の時に結婚。ようやく瑠璃さんが妊娠したとき、「母親の顔」になってお腹を撫でるその姿に「ついていけない何か」を感じたという。

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 自分の身のうちで育てているわけではないから、子どもができた実感は乏しかった。ただ、瑠璃さんを見ていれば、赤ん坊が育っていくというのは並大抵のことではないと博喜さんは言った。

「瑠璃のつわりはそれほど重くないと言っていたけど、食べられなかったり大好きだったものが嫌いになったり、いろいろありました。お腹が大きくなってくれば不自由そうだし。こうやって人は命を育んでいくんだなとまじめにいろいろ考えましたね」

 自分ができることは彼女が快適に過ごせるようにするだけ。丁寧に家事をし、妻の体にいいものを料理した。妊娠後期には出張を入れないよう会社にも頼んだ。親にも連絡をとり、いざというときは助けてもらえるよう手はずを整えた。

 それなのに、結果は「死産」だった。産声をあげない赤ちゃんを見た彼が受けたショックは言葉では言い表せないものだった。もちろん、瑠璃さんは絶望の淵に追いやられたようで、のちに「すべての時間が止まった」と言っていた。

 どうやって立ち直ったのか今もよく覚えていないと彼は言う。当初はふたりで泣いてばかりいた。ただ、1年後、瑠璃さんは再び妊娠した。

「怖かったです。また同じことが起きたらどうすればいいのか……。でも瑠璃は前向きだった。絶対に今度は産むって。なんですかね、ああいう強さは男にはないですね」

 瑠璃さんの言葉通り、元気な男の子が生まれた。43歳にして初めて我が子が生まれたのだ。博喜さんは子どもに夢中になった。

「育休もとったし、僕、一時期は時短にしてもらっていたんですよ。会社では、育休をとった男性社員はいるけど、時短で働きたいと申し出たのはおまえが初めてだと苦笑されました。自分でもどうしてこれほど夢中になったのかわからないくらい、子どもがかわいくてたまらなかった」

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