「中国人」の“地下アイドル”急増のウラでトラブルが続発 「スクール水着を強要」被害で事務所を訴えた中国人アイドルが“逆告訴”されるケースも
「スカート内を撮影」「殴られた」…
デイリー新潮が入手した裁判資料によると、当事者として登場するのは2023年にデビューした日中混成(日本人3人、中国人3人)のアイドルグループ。原告は同グループの運営会社で、被告となっている中国人メンバー3人に対し、計約2300万円を求める損害賠償請求となっている。
業界関係者が一連の経緯を説明する。
「キッカケは2022年、運営会社の社長が中国人メンバーのひとりAさんに貸し付けていた250万円の返済を求めたことでした。実はこの社長も中国人で、日本でアイドルビジネスを展開している若手経営者のひとり。貸付金のなかにはAさんが前の事務所を辞める際に請求された違約金も含まれていたとか。最終的にAさんの母親が全額返済することで両者は合意に至り、グループは晴れてデビューを果たしますが、その後も返済が履行されることはなかったそうです。すると23年3月、返済を求め続けていた運営会社社長に対し、Aさんが『社長からセクハラやDVを受けた』と主張し始め、他のメンバーやファンなどにもその話を広め始めたのです」
社長に「スカートのなかを撮影された」「スクール水着の着用を強要された」といったセクハラや「殴られた」などのDV被害を主張していたのは当初Aさんだけだったが、その後に「被害者」は他の中国人メンバーBさん、Cさんにも拡大。ちなみにAさんは中国では50万人以上のフォロワーを持つ人気インフルエンサーでもあるという。
しばらくすると、社長のもとに中国人メンバーの代理人弁護士から「1人につき300万円、総計900万円超の賠償金を支払うよう」求める内容証明が届くなど、対立は先鋭化。結局、グループは23年5月に解散を余儀なくされ、運営会社も営業停止に陥ったという。
「殺害予告が届いた」
すると、今度は社長側の逆襲が始まる。運営会社が「セクハラやDVなど虚偽の事実を流布され、営業上の権利が侵害された」などとしてメンバーのひとりを訴えたのが23年10月。最終的に被告は中国人メンバー全員となり、6月以降は併合審理になる予定だ。
真相を確かめるため、原告で運営会社社長の袁健添氏に話を聞くと、
「セクハラやDVの事実はありません。実際、裁判でも彼女たちはそれら被害を証明する証拠をいまだ提出できないでいます。今回の騒動は、Aが借金の返済を免れるためにひと芝居を打った“狂言”であるのは明らか。この間、Aらのファンから私に対し『殺害予告』が届くなど、仕事だけでなく、精神面でもボロボロになりました。私は和解に応じるつもりはなく、判決まで必ず取りに行く。こんな暴挙を許せば、“やっぱりトラブルメーカーの中国人にアイドルはムリ”といった悪しきイメージを助長しかねません」
と憔悴しきった表情で話した。
中国人メンバーの代理人弁護士にも取材を申し込んだが、
「取材はお受けできない」
と事務所を通じて回答した。裁判所がどのような判決を下すにしろ、「愛」と「希望」に満ちたアイドル業界とは真逆のトラブル内容といえそうだ。