「自分の“死の床”までリポートしたい」 “体当たり取材”で人気の「オバ記者」が語る“アラ古希”でも仕事が途切れない理由
第1回【ギャンブル依存に借金苦、闘病生活までネタに…67歳「オバ記者」が明かす「ライターとして最大の危機」だった瞬間】からの続き
異例の経歴が注目を浴び、自身の主戦場である「女性セブン」のライター業務に加え、さまざまな雑誌でインタビューされるなど引っ張りだこの「オバ記者」こと、野原広子さん(67歳)。ネットニュース編集者・中川淳一郎氏が、日本の高齢者が理想とすべき存在だと感じ入る彼女に6つの質問をした。
(全2回の第2回)
【写真】中川淳一郎氏とオバ記者の仲睦まじい居酒屋でのパワフルな一枚
みんな好き
【3】ライターは人間関係あってナンボだと思いますが、いかにして発注相手を捕まえるのでしょうか。コツはありますか。
自分に仕事をくれる編集者はみんな好きです。向こうは私の何かをいいと思って声をかけてくれるのだから、私もその人が好き。すごくシンプルな関係だと思っています。営業活動は特にしたことがないけれど、出会った編集者を喜ばせたい気持ちは人一倍あると思う、というより私の好奇心ですね。なかなか出会えない職業の人や、特別な経験をした人の知り合いはかなり豊富だと思います。これまでしてきたバイトも生活のためであると同時に、人脈を増やすため……、あ、いや、ちょっとちがうな。結果的にそうなるんですよね。
今も続けている議員会館でのアルバイトもそうで、前文部科学大臣と廊下で立ち話をしたり、秘書官と呼ばれる人が「オバ記者、記事読んだよ」と私のバイト日にわざわざ事務所に来てくれたりします。
もっともその人脈が今すぐ記事に使えることはなくて宝の持ち腐れ状態なのですが、いつか何かになるかしら。
彼の会社の支社ではなく
【4】これまでに体験した中でも屈指のエピソードを教えてください。
婚活をしていた8年ほど前に、出会い系サイトで知り合った6才年上の「オノ」と名乗るおじさん。「芝に本社がある貿易会社の会長だけど、永田町のビルに支社があるのでそこで会いましょう」ということになりました。一階のレストランで1000円程度のランチをご馳走になり、応接室に通され、聞けば父親の代からアメリカの軍部に戦闘機の部品を納入しているのだとか。ところが、広い会議室で小一時間話すと受付の女性が現れ、「部屋を変わってほしい」と。それが2度続いたときに、不思議に思ってトイレに立った際に受付で聞いたら、彼の会社の支社などではなく、ビルごと貸しオフィスでした。
ははーん。なるほどね。面白いので身を乗り出して相槌を打っていたら「ずいぶん若い時だけどね」と言いながら、外国人と小柄なサングラスをかけた日本人のツーショット写真を見せてきました。「この人は、え~っ、パパブッシュ?(ジョージ・ブッシュ元米大統領)」というと彼は得意満面。
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