極端な「投高打低」でプロ野球ファンは減らないか? 国民的スポーツが「マニアの趣味」に陥る危険性

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飛ぶボール導入といった対策を

 それは極端な「投高打低」が影響している。打者は少しのミスが年俸交渉の際にマイナス材料になると思い、積極的な攻撃ができないでいる。その一方、防御率の高い投手が続出すると投手の年俸は上がる。こうした状況が続くとますます「投高打低」が続き、つまらない試合が相次ぎ日本のプロ野球は客から見放されることになるかもしれない。

 正直私は打率.220の阪神打線に今は何も期待していない。誰が出ても打てる気がしないのである。興行として成り立たせるのであれば、「飛ぶボール導入」や「ストライクゾーンを打者にとって緩くする」といった対策をNPBはしてもいいのでは。

 さすがに「金属バットを導入しろ」とまでは言わないが、今のプロ野球は点が入らな過ぎてつまらない。私のようなライトなファンからそっぽを向かれたら、単なるマニアの趣味に落ちぶれてしまうだろう。まぁ、それでいいのであれば、1-0や2-1の試合を観たファンが「しびれる試合でした!」などと玄人的感想を述べればいい。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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