文末の「www」が敬遠される理由 高速で変化する“若者言葉” 昨年の流行語はもはや“死語”
「(草)」「(笑)」ではなく「草」「笑」
堀尾さんがXに投稿された「ウケるw」について調査してみると、5月30~31日の2日間だけで125の投稿があったという。「www」について都内の大学生に質問すると、「LINEの文面って基本相手に合わせる気がします。相手からのメッセージにwwwが入っていたら、使うこともたまにあります」(2年生男子)。「『www』は長い文章の文末で使う人はあまりいないと思いますが、『あそゆことwwwwww』みたいな使い方はします。また『(草)』『(笑)』ではなく『草』『笑』を使います。めっちゃ親しい人に『おもろくて草』みたいにして送信します」(同女子)という回答だった。
一方、「wwwは使わないです。2ちゃんねるの『煽りカス』(※扇動的かつ感情的に煽り立てる行為、及び人)みたいな感じがするので、表社会で正常を装うために『笑笑』を使います」(男子4年生)という自身の社会的ポジションを意識した答えもあった。LINEヤフーの調査でも「文の終わりは絵文字や『!』や『?』を使っているため、(笑)などは使わない」(高1女子)という声が多い。大学生の間ではまだ命脈を保っているようだが、高校生まで世代が若くなると敬遠されているようだ。
堀尾さんは「確かに『www』は減少傾向です。『笑』『(笑)』の方が一般的でどちらを選択するのかは好みの問題のような気がします」とした上でこう指摘する。
「『w』はネットスラングなので少し性格が違うかもしれませんが、90年半ばに女子高生の間で流行った『チョベリバ』(超ベリー・バッドの略)はもう使われなくなりましたよね。それと同じく、世代によって使用する・しないの差が出てくるのかと思います。市民権を得た次の世代にとっては“古い”のかもしれませんね。つまり、市民権を得た時点では世代を超えて使われるようになったものの、その後の新世代、すなわち定着した当時は小学生くらいの世代には過去の物として映るのではないでしょうか」
浮かんでは消えていく若者言葉。「w」から「草」への流行の変化は2017年ごろが有力な説だ。ちなみに、同調査による「今年流行りそうだと思う言葉」の女子高校生1位は「それガーチャー!ほんまゴメンやで」、男子高校生1位は「厳しいって」だった。元ネタはテレビドラマに出演したアイドルの台詞やYouTuberのキメ文句。これらの言葉がTikTokを通して一気に拡散されていることについて、堀尾さんは「今後、新しいSNSやツールが出てくるたびに臨機応変な言語活動が生まれると思います」。
TikTokについていけないおじさん、おばさんは若者から「厳しいって」と言われそうだが、それも世代間の言語使用をめぐる興味深い現象ではあるwww
※1出典:LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査 https://lineresearch-platform.blog.jp/archives/44876237.html ※2024年4月、高校生男女980人に調査