まさに「雨らめしや~」 降雨で幻と消えた“勝利”と地元凱旋の“快打”
「あれで流れが変わったよ。あの回から腹立ってたんよ」
オリックス時代の岡田彰布監督が、降雨中断に際し、露骨な遅延行為にぶち切れたのが、2012年6月8日、甲子園での古巣・阪神戦だった。
4回に相手エラーで1点を先制したオリックスだったが、1対0の5回表、断続的に降っていた雨が激しくなり、試合が中断。このまま中止になれば、ノーゲームで1点リードもパーになってしまうとあって、岡田監督は気を揉んだが、何とか試合再開が決まる。4人の審判が位置につき、オリックスも後藤光尊、野中信吾の1、2番が次打者席で待機していた。
ところが、阪神ナインはなかなか守備に就こうとしない。「時計も動いていて、審判が出ろ、出ろ、というのに出ない。グラウンド整備もしてない。何してんのかなと思った」(野中)。これでは降雨ノーゲーム狙いの遅延行為と思われても仕方がない。
業を煮やした岡田監督がベンチを飛び出し、丹波幸一球審に説明を求めた。
「(球審が)『出ろ』言うたんやけど、出えへんかった。遅延行為よ。ルール上、放棄試合よ。あんな光景は初めて見た」(岡田監督)
その後、阪神ナインがようやく守備に就き、試合再開となったが、雨で4度にわたって計14分試合が中断する悪条件のなか、オリックスは7回に4番手・平野佳寿が金本知憲に3ランを被弾し、1対3と痛恨の逆転負け。パ・リーグ最下位に転落した。
9回に代打・日高剛を告げる際に、丹波球審に連盟に対して意見書などを含めて問題提起する意向があることを伝えた岡田監督は「あれ(5回の遅延行為)で流れが変わったよ。あの回から腹立ってたんよ。お客さんも見てるやん。ベンチから出えへんかったら、遅延行為よ」と試合後も怒りが収まらなかった。
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