パワハラ疑惑で百条委員会設置の兵庫県知事 告発文を書いて、嘘八百呼ばわりされた県職員(60)は今どうしている?「3月末で退職するつもりだったのに…」

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嘘八百でなくなる

 告発文を見ると、ほとんどが斎藤知事に関する内容である。なぜ強気の発言をしたのか。とある兵庫県会議員は言う。

「斎藤知事はすぐに怒鳴るし、気が短いことで有名です。だから会見では、記者から告発文についてツッコまれてキレちゃったんですよ。まだ告発文を書いた県民局長から内容についての聞き取りもしていないのに、相応しくない行為、事実無根、嘘八百とまで言い切っちゃった。斎藤知事は東大卒の元総務省キャリア官僚ですが、人事の経験がないから手続きを知らないんですよ」

 4月16日になると、地元メーカーに視察に訪れた際に高級コーヒーメーカーを受け取ったのは、斎藤知事ではなく同行していた産業労働部長だったことが明らかになる。

「斎藤知事本人ではないけれど、告発文の通り、確かに受け取った者がいたわけです。これで“嘘八百の告発文”ではないとマスコミも気づいた。そもそも告発した県民局長は、人事課長や教育次長、管理局長(現・職員局長)も勤めた最高幹部です。職員からの信頼も厚い優秀な人なので、あの人が書いた告発文なら間違いないという声もありました」

 斎藤知事は4月18日の会見で、記者から「嘘八百とは言い切れなくなった」と質問されている。

斎藤知事:いろんな捉え方があると思います。全てのことが事実か事実でないか、と同時に、核心的なところが本当か本当じゃないかも大事なので、それを含めて人事当局が全体的な調査をしています。その結果を待ちたいと思います。

 急に歯切れが悪くなった。そして5月7日、内部調査の結果が発表された。告発文の核心的な部分において全てが事実無根というものだった。結局、県民局長には停職3カ月の懲戒処分が下された。

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