パワハラ疑惑で百条委員会設置の兵庫県知事 告発文を書いて、嘘八百呼ばわりされた県職員(60)は今どうしている?「3月末で退職するつもりだったのに…」
兵庫県の斎藤元彦知事(46)のパワハラ疑惑などをめぐり、6月13日、同県議会では51年ぶりとなる百条委員会(地方自治法100条に基づく調査特別委員会)が設置された。県職員の告発文から始まったこの問題。告発内容の真偽を見極めるための百条委員会ではあるものの、告発した県職員に対する処分そのものが究極のパワハラではないかという声が挙がっている。
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全国的にはあまり詳しく報じられていないこの問題を改めて振り返っておこう。
事の発端は、3月12日付けで一部の県議らに送られた文書だった。「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」と題され、知事のパワハラや違法行為、贈答品受領などの問題が7項目に分けて綴られていた。
3月27日、4日後の31日に退職の予定だった県民局長(60)に“退職保留処分”が下された。当然、この日の定例会見で、記者から“異例の人事”を問う声が上がり、斎藤知事は次のように答えた。
斎藤知事:当該者につきましては、県民局長として相応しくない行為をしたということ、そして本人もそのことを認めているということで、本日付で県民局長の職を解きました。
――もちろん記者も県民局長が告発文を送ったことによる人事だとわかっている。
記者:退職を取り消した職員に関してですが、組織の中で誹謗中傷するケースや手紙が出回ることは稀にあるかと思います。今回、退職4日前に退職を取り消したのは、知事として看過できないと判断したのですか?
斎藤知事:副知事とも相談しながら対応しました。(中略)事実無根の内容が多々含まれているということなので、名誉毀損や信用失墜、綱紀粛正ですから、ここは看過できない。業務時間中なのに嘘八百含めて文書を作って流す行為は、公務員としては失格ですので、被害届や告訴などを含めて法的手段を進めているということになります。
記者:本日発表の人事異動に関して流布された文書には、知事に関する記述が含まれているという趣旨でよろしいでしょうか?
斎藤知事:私もありました。
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