まさかの「ブラジャー直撃弾」や相手投手の愛車を破壊した「場外ファール」も…とんでもないところに飛んで行った打球の行方

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街灯を直撃

 場外ファウルがあまりにも間の悪い場所に落下する事件が起きたのが、2015年7月10日のウエスタン、阪神対オリックスである。

 まさかのアクシデントが起きたのは、3対5とリードされた阪神の7回の攻撃中。2死無走者で陽川尚将が1ボールから小松聖の2球目をフルスイングすると、打球は鳴尾浜球場の三塁ベンチ裏に高々と上がるファウルとなり、高さ約50メートルの防球ネットを越えて場外へ。

 ここまでなら、「特大ファウル」で話が終わっていたのだが、ここから事態は、マーフィーの法則でもなかなかあり得ないような“悲劇”に発展する。

 直後、打球は三塁側ブルペン裏の街灯を直撃し、「ガシャーン!」という音とともに、破壊された街灯から無数のガラス片が勢いよく飛び散った。

 そこには選手・関係者用の駐車場があり、ガラス片は近くに停めてあったベンツに雨あられと降り注いだ。そして、車の持ち主は、なんと、陽川にファウルを打たれた小松だった……。

「ヤナセMVP賞」として貰った愛車

「打たれた瞬間、今日あの街灯の下に車を停めたけど、大丈夫かなあと思った」という小松だが、試合後に確認すると、車の後部窓ガラスに縦約2センチ、横約7センチの穴が開き、屋根やトランクの上にもガラス片が散乱。愛車の無残な姿に呆然と立ちつくすばかりだった。

 しかも、このベンツは15勝を挙げて新人王に輝いた2008年に「ヤナセMVP賞」として貰った思い出深い愛車とあって、なおさらショックは大きかった。

 それでも「仕方ない。直してもらって、また乗りたいです」と気を取り直した小松だったが、愛車がレッカー車で整備工場に運ばれてしまったため、その日はタクシーで帰る羽目になった。

 一方、陽川も「その情報は試合中に聞きました」と同様にショックを受け、申し訳なさそう。ベンツの修理費が、阪神が契約している施設傷害保険から支払われることになったのは、当時年俸840万円だった陽川にとって、不幸中の幸いだった。

 ちなみに同球場では、2013年5月15日のウエスタン、オリックス戦でも、オリックス・竹原直隆の左翼場外への特大ファウルが風に乗って、阪神の独身寮「虎風荘」の4階トイレの窓ガラスを破り、室内に飛び込む事件が起きている。

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