都知事選「つばさの党」は“楽しい選挙”に路線変更か 警官100人が出動した第一声で黒川代表の内縁妻が披露した「謎の音頭」と「華麗なステップ」

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黒川容疑者からのメッセージを代読し始めた外山氏

 定刻前に一人で姿を現した外山氏。記者たちに囲まれ「また凸することはあるのか?」と問われると、

「もうああいうやり方はしません。パクられるのがわかっているから」

 5分ほど遅刻して、選挙カー2台が連なってやってきた。そして外山氏が立っていたあたりを演説場所にしようとしたが、すかさず5、6人の制服警官に取り囲まれ、移動するよう求められた。彼らは素直に応じた。

 黒川容疑者たちがシャバにいた頃なら、一言二言言い返しそうなところだが、やはり3人が逮捕されて牙を抜かれてしまったのか。

 やがて、マイクを握った外山氏はこう訴えた。

「私たちつばさの党は、今の政治家が嘘つきだと、その嘘を暴くため彼らの都合の悪い質問を、選挙で有権者の前に出てきた政治家たちに直接聞こうという行動をやりました。そして、それが妨害だと認定されて今逮捕されております。しかし、どのマスコミも私たちが騒いでいるところしか切り取らず、私たちが本当にやりたかったことは全く報道していただけていません」

 こう警察やマスコミへの恨み節を述べた後、黒川容疑者からのメッセージを代読し始めた。

「自由と志と狂気。自由を守るためには狂気とも思える志が必要だ。人は弱い、欲や堕落にすぐ負けてしまう。愛のない狂気は暴力だ。愛とは大切な人のために行動すること。大切な人が自由に生きる社会を作ること。だから、愛する人を守るには狂気が必要だ」

 心を込めて夫が託した「愛」を語る外山氏。やがて話は第一声の場をアメリカ大使館に選んだ理由へ踏み込んでいった。

「我々は日本での最高権力者はアメリカ大使館とCIAだと認識している。陰謀論ではなく、残念ながらただの事実として、例えば、CIAは自民党に資金提供してきた。それはアメリカの公文書で公開されいる…」

謎の「音頭」が始まった

 内容はさておき、普段と打って変わって真面目に訴えかける演説は面白みに欠けたのか、足を止める人は少ない。外山氏の後、3人の党関係者の演説も続いたが、ちゃんと聞いている聴衆は10人程度の支援者だけ。その数倍もの警官たちが退屈そうな顔をして見守っていた。

 だが、外山氏が再登場してから様相が一気に変わった。

「新しい方はご存知ないかも知れません。CIA音頭というものがございますので、みなさんと一緒にここで踊っていきたいと思います」

 すると、選挙カーから陽気な祭囃子が流れ出し、外山氏は踊り出したのである。

「CIA~、CIA~、CIA~♪」

 アメリカ陰謀論を風刺した歌のようである。サビでCIAのフレーズが出るたび、西城秀樹の「YMCA」のように体でアルファベット文字を作る外山氏。満面の笑みでこう呼びかける。

「みなさん一緒に文字を作って踊ってくださーい!」

 もちろん呼応して踊るのは数人の支持者だけだ。ほとんどの警官・マスコミは口をあんぐりさせて聞いていた。大勢の冷たい視線を意に介さず、外山氏は華麗なステップでスカートをひらひらさせながら、4分以上も路上で舞い続けた。

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