【全米オープン】リブゴルフ移籍後「生まれ変わった」デシャンボーが優勝 「残念な姿」をさらしたマキロイには批判の嵐

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「トロフィーを触らせてあげたい」

 そんなデシャンボーの気持ちを汲み取ったパインハーストのギャラリーは、彼に熱い拍手と声援を送り続けた。

 デシャンボー自身もサインや握手を積極的に行ない、ロープ際を歩く際は鈴なりのギャラリー1人ひとりとグータッチをしながら歩いた。ガッツポーズを取るときもギャラリースタンドやロープ際の人々のほうを向くなど、大観衆と一体化しながら戦っていた。

 表彰式では「みんなの応援が力になった。ありがとう」と感謝を述べ、優勝トロフィーを掲げながら「どうにかして、このトロフィーをみんなに触わらせてあげたい」と話した。

 その後、デシャンボーは本当にトロフィーを持ってギャラリーの中に入り込み、大勢の人々に触らせながら勝利の喜びを共に分かち合った。

 PGAツアー時代のデシャンボーは「変人」「お騒がせ」「自己中心的」などと言われていたが、リブゴルフ選手になってからは別人のようにナイスガイになった。デシャンボー自身、「僕は考え方を変えた」「生まれ変わった」と語っている。

無言のまま会場を出たマキロイ

 デシャンボーに対する人々の評価は一気に上昇したが、対照的に評価を落としたのは1打差で惜敗した北アイルランド出身の35歳、ロリー・マキロイだった。

 最終日を首位のデシャンボーから3打差の2位タイで迎えたマキロイは、9番から次々にバーディーを奪い、13番を終えた時点ではデシャンボーを2打も引き離して単独首位へ浮上。

 しかし、そうなった途端にマキロイのゴルフは乱れ始めた。15番ではティショットをグリーン奥のネイティブエリアに入れてボギー。16番では1メートルのパーパットをカップに蹴られ、18番でも1メートルのパーパットを外し、立て続けのボギーを喫した。

 デシャンボーから1打差の2位で先にホールアウトしたマキロイは、スコアリングテントの中で渋い表情をしてテレビモニターを見詰めながらデシャンボーのフィニッシュを待った。

 デシャンボーが18番グリーンで1メートルのパーパットをきっちり沈め、勝利の雄叫びを上げた姿を目にすると、マキロイはくるりと背を向け、無言のまま背後のドアからロッカールームへ。

 15分後、マキロイは待ち構えていた米メディアを振り切り、選手用の駐車場へと黙々と歩き、車に乗り込むやいなや走り去った。そして30分後にはすでにプライベートジェットに乗り込み、帰路に着いていた。

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