<女性車掌を盗撮>、<運転席をフラッシュ撮影> 鉄道職員が「さすがに勘弁してほしい…」と漏らす“鉄道ファン”の迷惑行為

国内 社会

  • ブックマーク

乗務員のサインを集めるオタク

 新幹線のグリーン車で、ゆっくり休んでいる芸能人を起こしてサインをねだり、トラブルになる例はよく聞く。しかし、このケースはそうではない。車掌などの乗務員にサインを求めるというのだ。そんな人までいるのか、と耳を疑ってしまうが、さきの女性車掌Cさんは時折、遭遇するという。

「普通列車で乗り継いだ時、いきなり手帳を広げられ、“ここにお手本があるので、この通りにサインを書いて、ハンコも押してください”とお願いされたことがあります。正直、面食らいましたよ。どう対応するか悩みます。先輩は嫌な場合はキッパリ断るらしいですが、手帳を見るとサインがぎっしり。ペラペラとめくってみると、知り合いの運輸区の社員のサインがあって、凄まじいコレクションでしたね」

 サインを集める鉄道ファンは、ネットでは問題になることが少ないが、潜在的にかなり多いのではないかとCさんは予測する。知り合いの車掌がサインを求められ、書くことを渋ったところ、キレた鉄道ファンもいるらしい。自分の要求が通らないと恫喝する鉄道ファンは、各地で見かけるとCさんは言う。

「正直、車掌のサービスの範囲外なので勘弁してほしいです。ちなみに、サインを求めるお客さんはオタクはこれからの季節、増加しそうで恐怖を感じます。いわゆる青春18きっぷのシーズンに来るパターンが多いんですよね」

なぜ、鉄道ファンは嫌われるのか

 繰り返すが、大半の鉄道ファンはマナーをしっかり守っている。しかし、こうした一部のモラルがない人のせいで、鉄道会社の社員は鉄道ファンと距離を置きたくなってしまうのだという。ちなみに、Cさんは、鉄道会社の社員と鉄道ファンはもともと水と油の関係だと話す。

「そもそも、鉄道会社は体育会系の“陽キャ”が多いんです。男子なら野球部、女子ならバスケ部みたいな感じでしょうか。内向的なオタク系の鉄道ファンとは、様々な面で合わない人ばかりだと思います。ちなみに、社内にもかなりオタク気質の社員はいるのですが、圧倒的に少数派だと思います」
 
 ちなみに、今回の情報を提供してくれた女性車掌のCさんは、無類の鉄道ファンだ。そのため、鉄道ファンには親切に接するように努めているというか、そのせいでかえって手を焼くことが多すぎると、困惑しながら話す。

「鉄道ファンが、体育会系の駅員からあまりにも無碍に扱われているのを見て、自分は凄くかわいそうだと思ったんです。そこで、可能な限り優しく対応したり、サービスできるところは声掛けするようにはしています。しかし、そういった態度をとると、逆に厚かましいお願いをされることが多くて……。余計なことをしなければ良かったな、と後悔してしまうんですよ」

 確かに、そんな対応をされてしまっては、鉄道会社に限らず、大抵の社員は面倒くさがってしまうのではないか。7月になればいよいよ夏本番となり、鉄道旅行シーズンが到来する。利用者も鉄道会社の社員も、お互いに心地よい関係を築けるように配慮を忘れないようにしたいものである。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。