「マンション価格」高騰で「賃貸物件」はどうなる? 専門家が明かす“特に賃料の値上がり幅が大きい”タイプの部屋とは

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 マンション価格の高騰が続いている。東京23区では70平方メートルの新築マンションなら1億円超えは当たりまえ。千代田区、中央区、港区のいわゆる「都心3区」においては、中古ですら2億円を超える物件が珍しくない。一方、物件価格と比較すると賃貸物件の賃料はそこまで上がっていないようにも感じる。

(前後編の前編)

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借主を守るための手厚いルール

 背景には「借地借家法」の存在がある。

 多くの場合、賃貸物件はだいたい2年に1度の契約更新があり、更新料を払って住み続けるか、退去するかの選択をすることになる。賃貸物件に住んだことがある人ならば、この契約更新のタイミングで別の物件に引っ越した経験のある方も多いのではないだろうか。

 その際、築年数の経過を理由に家賃の“値下げ交渉”をした人はいるかも知れないが、大家さんから家賃の値上げを宣告されたケースはあまり耳にしない。

 それは借地借家法32条において、大家は「正当な理由」があれば家賃の値上げを請求することができる。逆に言えば、正当な理由が認められなければ家賃を上げることが難しい、という借主を守るための手厚いルールが存在するからだ。

「物件価格と比べ、家賃の上がり方に“遅行性”が認められる理由に、借地借家法の存在があることは事実。ただし、エリアによっては既に物件価格並みに賃料が上がっているケースも見受けられます」

 そう話すのは、不動産ナビゲーターの渕ノ上弘和氏だ。

 それでは今後、マンション価格が高騰しているのと同様に、賃貸物件の賃料も上昇していくことになるのだろうか。現在の動向と合わせて解説してもらった。

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