彬子女王殿下の留学記が10万部超のベストセラーに 一方、悠仁さまの進路選びには“懸念”が

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異例のベストセラー

 学習院で過ごした後は海外留学へと羽ばたく。皇室で王道とされてきた教育スタイルが過去のモノになろうとしている。はたして未来の天皇のご進学先はどこか。さまざまな懸念が浮上する中、学習院出身の女性皇族による留学体験記がベストセラーとなっていて……。【前後編の前編】

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 大々的には宣伝されずとも、確実に人々の心を捉えているといってよいだろう。

「ヒゲの殿下」として親しまれた故・三笠宮寛仁さまの長女・彬子(あきこ)女王(42)の著書『赤と青のガウン』(PHP文庫)が版を重ね、発売から2カ月足らずで、皇族の筆による出版物としては異例の10万部超のベストセラーとなっている。

 彬子さまは学習院大学文学部史学科を卒業後、2004年から英国のオックスフォード大学に留学。大学院にまで進み、女性皇族としては初めて博士号を取得された。著書では、専攻である日本美術史の論文を書き上げるまでの5年間を、ユーモラスにつづられているのだ。

「批判や反発を想定」

 今月4日、フジテレビの情報番組に出演された彬子さまは、15年に刊行した同書が、昨年からSNSを中心に“プリンセスの日常が面白過ぎる”といった口コミで、再び脚光を浴びた経緯を振り返られた。

 皇室担当記者によれば、

「彬子さまは著書の中で、亡くなられた父・寛仁さまから“留学で公務を休むわけだから、支えてくださる国民に対して成果を報告するため留学記を出す義務がある”と言われていたことも書かれています。やはり長きにわたって日本を留守にする以上、国民からの批判や反発を想定されていたのでしょう。結果として著作が親しみや共感をもって受け入れられ、皇室と国民との距離が少しでも縮み、理解が進んだとなれば、最終的に彬子さまの進路選択は理にかなっていたといえます」

 象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院准教授の河西秀哉氏に聞くと、

「女性皇族として進路を決めるにあたり、彬子さまは戦略的に臨まれたのではないでしょうか。ご自身の行動によって皇室があらぬ批判にさらされないためにも、きちんと順序を踏まえた上で行動されたのだと思います。当時は既定路線だった学習院大を卒業してから、憧れていたオックスフォード大に留学して博士号まで取得される。帰国後はご公務に励んで実績を積み重ねながら、子供たちが日本文化を体験できるワークショップの団体を設立されました。今はご自身が望まれた日本文化伝承の取り組みをされています」

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