ベッツ負傷、長期離脱で1番・大谷翔平ってどうなの? フィリーズのカイル・シュワーバーから導き出される答え
現地時間の6月16日、ドジャースが本拠地でロイヤルズと対戦していると、7回裏にチームの屋台骨を揺るがすようなアクシデントが発生した。ロイヤルズの投手、ダン・アルタビラが約157キロのボールを投げ込むと、1番打者、ムーキー・ベッツの左手を直撃。ベッツはグラウンドに倒れ込み、そのまま負傷交代となってしまった。
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ベッツはドジャースの誇る1番打者。今季は72試合に出場し、打率3割0分4厘、ホームランは10本。
出塁率は何と4割5厘を記録し、得点圏打率3割5分8厘と絶好調だ。地元局の実況アナはベッツの死球に「ノー!」を連呼したというが、気持ちは痛いほど分かる。
ベッツと大谷翔平の打撃成績を比較してみよう。大谷は6月19日現在(以下同)、78試合に出場して打率3割1分6厘、ホームランは20本。出塁率は3割8分8厘で、得点圏打率は2割2分7厘だ。
ホームランは大谷のほうが多く、出塁率と得点圏打率はベッツが上回っている。こんなバッターが1番と2番を任されていたのだから、ドジャースと対戦する投手陣には脅威だっただろう。
ちなみにベッツの戦線離脱で「大谷が今季のMVPを受賞する可能性が高まった」との冗談も飛び交ったという。それほど活躍していたというわけだ。
まさに“リードオフマン”としてチームを牽引してきたベッツが不在になってしまった。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「復帰までは6週間から8週間かかる」と取材陣に説明しており、アメリカのメディアは8月上旬から中旬の復帰を予測している。担当記者が言う。
大谷のプレッシャー
「ナ・リーグ西地区でドジャースは勝率6割1分3厘で首位に立っており、2位のダイヤモンドバックスとは9ゲーム差と半ば独走状態です。好調の要因は様々ありますが、1番ベッツ、2番大谷、3番フレディ・フリーマンという打順が機能していたことは大きいでしょう。この3人はいずれもシーズンMVPを受賞しているので“MVPトリオ”と呼ばれてきました。その1人であるベッツの離脱は、ドジャースにとっては深刻な影響を与える可能性があります」(担当記者)
野球専門のネットメディア「Full-Count」は17日、「ド軍14人離脱の“野戦病院化” 1試合2発も重苦しい空気…大谷翔平が求める『一番の良薬』」との記事を配信、取材に応じた大谷の表情は晴れることがなかったと伝えた。
特に大谷にとっては、同じ日本人選手の山本由伸も右肩腱盤の傷みで前半戦の復帰が絶望的と見られているため、表情が曇ってしまうのは当然だろう。
「MLBの公式サイトは18日、『Shohei excels at leadoff as Dodgers 'hold it down' for Mookie』との記事を配信しました。見出しのニュアンスは『ドジャースがベッツの不在を持ちこたえるには、大谷がリードオフマンとして優れている』という感じでしょうか。ただ記事は意外にも大谷選手に関する言及は少なく、取材に応じたフリーマンが『ベッツの代わりはいない。彼はMLB全体でトップ5に入る選手だ』と語っていたのが印象に残りました。大谷選手の曇りがちな表情と重ね合わせると、あまり慣れない1番打者に起用され、のしかかるプレッシャーが心配になってしまいます」(同・記者)
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