「低予算ドラマ“量産”は淘汰される」…TBS電撃退社の“ふてほどP”が訴えた、局内の根深すぎる問題

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日曜劇場に莫大な予算も……

 同局関係者によると、磯山プロデューサーはかねて「低予算のドラマをたくさん作っても、そのうち淘汰される。企画を練ってある程度お金をかけて確信を持って作りたい」などとTBS経営陣に理解を求めていたが、改革は進まなかったようだ。

「離婚しようよ」のエグゼクティブプロデューサー・高橋信一氏は元日活の映像プロデューサー。Netflix Japan入社後はドラマシリーズ「新聞記者」「ヒヤマケンタロウの妊娠」「離婚しようよ」「御手洗家、炎上する」のほか、映画「浅草キッド」、世界的な大ヒットとなった「シティハンター」などを手がけてきた。その高橋氏とのコラボの中で独立への決意を固めていったのか。

 スポーツ紙の芸能デスクがこう指摘する。

「『離婚しようよ』は海外では『Let's Get Divorced』のタイトルで配信されており、配信直後から国内では4週連続でTOP10入り。そのうち2回が1位で、台湾でも1度9位に食い込みました。TBSの局内事情としては日曜劇場には莫大な予算を注ぎ込む一方、火曜・金曜ドラマは低予算状態が続いています。こうした不均衡に不満を持つプロデューサーが今後、次々と磯山プロデューサーの後を追うかもしれません」

 56歳という年齢から管理職として後進の育成も期待されていたはずだ。だが、「ドラマの予算配分において、TBSならではの根深い問題が残る限り、後進を育てようにも手だてがありません。クリエーターとしてドラマを作り続けられる環境を選んだのは当然でしょう」(前出の芸能デスク)。

 磯山プロデューサーについては一部で「Netflixへ転職」と報じられたが、実際にはフリーとしてNetflixと作品ごとに契約をしていくようだ。現在の所属はグループ内の映像制作会社「TBSスパークル」で、現在有給休暇を消化中という。

「『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』『マンハッタンラブストーリー』などの人気作で、タッグを組んだ磯山プロデューサーとクドカンの信頼関係は固い。退社後の第1弾は、クドカン作品になる可能性が高いです。クドカンは小池栄子と仲野太賀が出演するフジテレビ系7月期ドラマ『新宿野戦病院』の完全オリジナル脚本を執筆中ですから、その次あたりで退社後の磯山プロデューサーとの初仕事が実現しそうです。1話あたり3000万円程度の民放ドラマに比べ、Netflixは億円単位で予算が付きます。磯山×クドカン×最新VFX(視覚効果)がそろい踏みすれば、極めてクオリティの高い作品が期待できるでしょう」(同)

 格段にバージョンアップした「ふてほど」の“続編”を観ることができる日は近い。

デイリー新潮編集部

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