韓国紙が報じた「日朝極秘交渉」は眉ツバ、「有力な家門の政治家」は明らかにおかしい…専門家が指摘する“問題部分”

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北朝鮮の動き

 日本政府の場合、日朝交渉が決裂しても、直接的に責任を取らされる担当者はいない。林官房長官が辞任に追い込まれることはない。ところが独裁国家である北朝鮮は違う。必ず責任を取らされる人間が出る。

「日朝交渉を担当していたのは金英哲(キム・ヨンチョル)氏という政治家で、彼は対日工作の専門家でもあります。情報機関の顧問を務め、金与正氏のブレーンの一人でした。ところが日朝決裂の責任を問われ、失脚してしまいまったのです。代わりに外相の経験を持つ李善権(リ・ソングォン)氏が抜擢されます。中央日報は日本と北朝鮮の代表団が5月にモンゴルで会ったと報じましたが、金英哲氏が失脚し、李善権氏が抜擢を受けて労働党内におけるポジションを上昇させている時期とちょうど重なり合うのです。こうした状況を考えると、日本側と実務レベルで対応できる北朝鮮の人間は誰もいなかったはずなのです」(前出の重村氏)

 ちなみに金英哲氏は対日工作を担当していたため、日本にとって彼の失脚は喜ぶべきニュースだという。

「もし中央日報の報道が事実だとすれば、日本側が北朝鮮に金を支払った可能性も浮上します。例えば韓国と北朝鮮が南北首脳会談を行った時は、必ず韓国から北朝鮮に金が支払われています。北朝鮮は日本にも同じことを必ず要求し、金の受け取りを確認しなければ代表団との会談には応じないでしょう」(同・重村氏)

デイリー新潮編集部

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