【レーダー照射事件】韓国は“まったく認めない”のに…岸田政権が「日韓合意せざるを得なかった事情」とは

国内 政治

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6年前の安倍総理の対応は?

 事情に詳しい自民党ベテラン議員が後を引き取る。

「とはいえ、事件直後は韓国も事態を深刻に受け止めているフシがありました。水面下で“国内で調整をする時間をくれ”と打診してきましたからね。ところがこれを安倍晋三総理(当時)が突っぱねたのです」

 この頃、韓国は親北派で知られた文在寅政権だった。

「文政権の北寄りの姿勢はひどかった。例えば国連安保理による経済制裁を逃れるため、北朝鮮船舶は“瀬取り”と呼ばれる洋上での物資積み替えを行っています。それに韓国政府が関与している可能性が、海外の団体から指摘されていたほど」

 振り返れば日本は、いわゆる慰安婦や旧朝鮮半島出身労働者(徴用工)の問題などで、都合が悪くなると“ゴールポストを動かす”韓国に振り回されてきた。

「腹に据えかねた安倍政権は、勝手な韓国の申し出には取り合わず、先んじて照射の事実を発表した。これで韓国側は引くに引けなくなったとみられています」

 海自幹部はこんな意見だ。

「哨戒機の低空飛行は、韓国軍の艦艇に不審な動きを確認したためのもので、正当な監視行動に過ぎない。“撃つぞ”と脅すような火器管制レーダーの照射と同列に論じるのは無理があります」

 事実関係の解明は棚上げされ、岸田総理はまたも説明不足。政権支持率の低下はやむを得まい。

週刊新潮 2024年6月20日号掲載

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