「身に覚えのない225万円のロレックスが…」 マイナカード不正が多発…被害者2名が明かす「恐怖体験」
「なりすましなど簡単」
健康保険証の廃止まで半年。河野太郎デジタル相(61)はマイナ保険証の利用を促そうと躍起だが、利用率は4月時点で6%台にとどまっている。それもそのはず。偽造マイナンバーカードの不正利用など問題は山積しており、制度の根幹から信用が揺らいでいるのだ。【前後編の前編】
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国民皆保険制度が1961年に実現して以来、全国民が手にしてきた健康保険証の歴史に幕が下りる。2024年12月2日、現行の健康保険証はマイナンバーカードに一本化されて、マイナ保険証へと切り替わるのである。
河野デジタル相をトップに戴くデジタル庁はマイナ保険証について、
〈「就職・転職・引越後も健康保険証等としてずっと使える」などのメリットがあります〉
という具合に、その利便性をしきりにHPで喧伝している。
だが、著書に『マイナ保険証の罠』がある経済ジャーナリストの荻原博子氏は次のように注意を促す。
「デジタル庁はマイナカードについて、“顔写真付きのため悪用は困難。第三者が容易になりすますことはできない”と謳ってきました。しかし、カードの表(おもて)面の顔写真を差し替えて偽造してしまえば、なりすましなど簡単にできてしまうのが実情です」
スマホを乗っ取る手口「SIMスワップ」とは
実際、偽造マイナカードにまつわる事件は後を絶たない。
社会部デスクが言う。
「今年4月にも、東京都の都議と大阪府八尾市の市議が携帯電話を乗っ取られる被害に立て続けに遭っています。SIMスワップという手口で、他人に自分名義でスマホを不正利用されたものとみられています」
“SIMスワップ”――。聞きなじみのない言葉である。ITジャーナリストの三上洋氏が以下解説する。
「まず、犯罪者グループは偽造されたマイナカードなどを用いて本人に偽装します。そして、電話番号と電話番号に紐付けられた識別番号等の情報が記録されているSIMカードを紛失したなどと偽り、勝手にSIMを再発行。最終的に、スマホを乗っ取る手口です」
では実際にどういう目に遭ったのか、具体的な被害について、当事者たちの声に耳を傾けよう。
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