「泥棒猫」「あんた価値ないよ」知らぬ間に妻が不倫相手をSNSで猛攻撃…「さらし行為」に39歳夫が感じた恐怖
「SNSのこの写真、おまえじゃないの?」
そんな生活が1年ほど続いたころ、SNSでつながった高校時代の友人から連絡があった。「SNSのこの写真、おまえじゃないの?」と。その友人と久しぶりに会ってから数日後のことだった。
「僕、右手の手首から少し肘よりに痣があるんですよ。友人と会ったとき、『そんなところに昔から痣があったっけ?』と聞かれたので、彼が気づいたんでしょうね。それ、智花のSNSだったんです。『たまたまおまえの奥さんのSNSを眺めていたら見つけたんだけど、なんだかヤバいよ』と彼に言われて、あわてて僕も見てみました。僕は登録はしているけど、SNSはほとんど使ってなかったので」
智花さんと思われる投稿には、英登さんと一緒に行った店で食べた料理の写真があった。料理の奥に男性の腕が写っており、そこには痣がくっきりと見えている。英登さんの手だった。そしてそこにはyukoという名の女性が「匂わせかよ」とコメントをつけていた。
「あわててふたりの投稿を遡って見てみました。すると数ヶ月に渡ってバトルが繰り広げられている。智花は“ともちゃん”というアカウントで投稿していた。yukoはともちゃんのスレッドに『あんた、~~会社だよね』と社名を暴露、ともちゃんは『あんたは“菅原夕子”でしょ』と実名で返していた。『あんたみたいな人を泥棒猫って言うんだよね。妻子が泣いてると思うけど』とyukoが言い、ともちゃんが『取られるほうがぼんやりしているからじゃない?』といった具合。でも驚いたのはyukoの攻撃性でした。どちらかというとともちゃんが受けに回っている。yukoは『不倫して罪悪感も持ってないあんたなんか、生きてる価値ないよ』とまで言っていた。僕はもう、読んでいてめまいがしました。僕の知らないところで女ふたりがこんなやりとりをしているなんて……」
ふたりとも有名人でもないし、フォローしている人がそう多いわけでもない。だが、一部、ふたりを煽るような投稿をしている人もいる。このままではいい恥さらしだ。そもそも、ふたりとも立派な社会人なのに、どうしてこれほど社会性のない行動をとるのだろう。
裏のやりとりはもっと苛烈だった
どうすればいいのか彼は悩んだ。そして、待てよと思ったらしい。
「表だったところでこんなさらし合いをしているなら、裏では何を言い合っているのだろうと、ある日、こっそり妻の携帯を見たんです。するとふたりだけのメッセージのやりとりがあった。夕子が『なんだかんだ言っても、夫は私の元に戻ってくるの。あんたのところには立ち寄っただけ、身も心もね』と智花に送っている。智花は無視しようとするんですが、夕子が『こら泥棒、何とか言え』と煽る。すると智花も『うるさいわねえ。こんな妻の元に返る英ちゃんがかわいそう』と。『あの人はね、私がいないと生きていけないの』と夕子はさらに煽っていく。『ま、あんたは公衆便所みたいなものね』とまで言って切り捨てる。そら恐ろしくなりました。いつもの忍耐強いおとなしい夕子ではなかったから」
彼は教えてくれた友人に相談、とにかく公の場でのふたりのバトルをやめさせたほうがいいということになった。まずは智花さんに、こんなの見つけちゃったんだけどと言って「妻が名誉毀損で訴えたりすると困るから」とアカウントを削除させた。だが、夕子さんにはなかなか言い出せなかった。
「智花には心から謝りました。だけど智花は『別のアカウント作って見てみたら、あなたの奥さんはまだアカウント削除してない。私だけ削除させて、やっぱりそうやって奥さんをかばうのね』と。そうじゃない、妻の意外すぎる本性を見て怖いんだと言ったけど、智花にその気持ちは伝わらなかった」
一方で、夕子さんは智花さんがアカウントを削除したのは、智花さん自身の意志だと思い込んだようだ。
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