「さらし行為」の結果、不倫は解消、妻子とは別居中…「女性不信に陥った」39歳夫の告白

  • ブックマーク

それぞれ複雑だった家庭環境

 店に来た彼女は顔色はよくなかったものの、英登さんが作った料理をおいしそうに平らげた。

「やっぱりあなたの料理はおいしいと言ってくれました。『明日、定休日なんだけどデートしませんか』と言ったら彼女、素直に頷いた。彼女の仕事終わりに会って、勉強のために1度行ってみたかった店に一緒に行ってもらいました。おいしかったですね。僕なんてまだまだだと思った。食事が終わってコーヒーを飲んでいるとき、つきあってほしいと言いました。彼女は『あんなみじめなところを見たのに、私とつきあえるんですか』って。みじめじゃない、あなたは彼を責めたり追ったりしなかった、じっと耐えていた。偉いと思ったと伝えました」

 夕子さんは少し微笑んで手を差し出し、彼はその手をしっかりと握った。その2ヶ月後には、アパートが更新時期だったので彼女は彼のすみかに転がり込んできた。そして出会ってから半年後には婚姻届を出した。

「そのときも本当に私でいいのかと聞いてきました。一緒に住んでみたら、彼女は本当によくできた人だった。『私なんかの料理でいいのかしら』と言っていたけど、彼女の家庭料理はおいしかった。彼女、両親が共働きでおばあちゃんに育てられたんですって。おばあちゃんの味をしっかり身につけていたみたいです」

 英登さんはすでに母を亡くし、父は再婚していたし、姉は結婚して遠方に住んでいる。父と再婚相手が上京したときにでも紹介するからと、結婚時には会わせなかった。夕子さんのほうは離婚家庭で、母ひとり子ひとりで育った。離婚するときに父が兄を、母が自分と暮らすことになり、それきり父にも兄にも会っていないと少し寂しそうに語ったことがある。

「でも夕子は穏やかに前を向いて努力するタイプ。推薦で行った大学では成績優秀で奨学金をもらったという話も聞きました。僕も彼女に負けずにがんばろうと、いい刺激をもらいながら結婚生活を楽しんでいたんです」

次ページ:幸せなときほど魔物はやってくる…

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。