20代の女性参加者は「ちょっと恥ずかしいけど楽しい!」 生まれたままの姿で自転車にまたがるイギリスの“奇祭”を体当たりレポート
「子どもたちの前でそんな姿を見せるんじゃない!」
「脱いだ服は各自、リュックに入れたり車体のカゴに入れたり。自転車も半分ぐらいの人はレンタサイクルを使っています。ロンドンにはあちこちにレンタサイクルのポートや、お店がたくさんあります。この日のイベントに合わせて割引キャンペーンをしているレンタサイクル屋さんもありましたね」(神保氏)
集合時間の前はまばらだった参加者の数は、時間がくると一気に増加。スタート地点は瞬く間に生まれたままの姿の人々で覆いつくされた。
「私のスタート地点にいたライダーは全部で200人ほど。それよりも多いのが見物客たちで、沿道はさながら日本の駅伝のように、人がたくさん集まっていました。見物客は特にアジア系の人が多い印象でした。やはり人前でこうした格好になるイベントが物珍しいのでしょう」(神保氏)
沿道に集まった見物客たちの列はスタート地点から1キロメートルほど続いていたそうだ。マンションの窓からゲラゲラ笑いながら見物する人や、2階建てのロンドンバスから手を振ってくる人など、この“奇祭”を楽しむ様子の市民がほとんど。
でも、中には怒り出す人もいて――。
「“子どもたちの前でそんな姿を見せるんじゃない!”と参加者に怒鳴っている男性もいました。怒鳴られた男性が“うるせぇ!”と言い返すと、一触即発の雰囲気に」(神保氏)
怒鳴り返した男性は、瞬く間に“反対派”の人々に取り囲まれ、そのままの格好でボコボコにされてしまったという。
「きっと、何か余計なことを言ってしまったんだと思います。特殊なイベントなので、中には眉をひそめる人がいることは仕方がないと思います。でも基本的にはみんな“バカだなぁ”と笑いながら見ています」(神保氏)
古くはモンティパイソンの“オルガン芸”、最近ではとにかく明るい安村の“穿いてますよ!”がバカ受けするお国柄である。基本的にはありのままの姿でいることには寛容な文化なのだろう。
[2/3ページ]