小渕優子・選対委員長は次の党役員人事で真っ先にクビに…ロクな仕事もできず「自民党のおごりを象徴するような人事だった」

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自民党の病根

 さらに幹事長を務める茂木氏との関係も気になる。デイリー新潮は5月14日、「静岡県知事選で茂木幹事長が不可解な動き…小渕選対委員長は呆れ顔で『推薦出ちゃったよ』」との記事を配信した。

「自民党静岡県連は元県副知事の大村慎一さん(60)の推薦を党本部に上申していましたが、情勢調査などの結果から、上層部は二の足を踏んでいました。それを茂木さんが説得し、推薦することが決まったのです。すると小渕さんは『推薦出ちゃったよ、どうするんだろうね』と周囲に漏らしました。小渕さんの態度はまるで他人事です」(同・記者)

 一体全体、小渕氏と茂木氏は充分にコミュニケーションが取れているのか疑問だ。ベテランの政治記者が言う。

「実は岸田首相、この夏に内閣改造と党役員人事を考えています。もし実現すれば真っ先にクビになるのは小渕さんだと言われているのです。自民党が選挙でこれだけ負け続けている原因が小渕さんにあるのは明らか、ということなのでしょう」

 前出の伊藤氏は「自民党の根深い病根と、岸田さんの誤算を象徴する存在が小渕さんと言えるのではないでしょうか」と指摘する。

世襲議員に肩入れする傾向

「率直に言うと、例えば小渕さんは応援演説が上手ではありません。元首相を父に持つ彼女は選挙で苦労したことなど一度もないでしょう。そんな政治家が選挙のノウハウを持っているはずもなく、選対委員長としてリーダーシップを取ることなど土台が無理な話なのです。それでも自民党は小渕さんを要職に就けました。これが自民党の病根を象徴していると思うのは、議員の世襲を問題視するどころか、『父の無念を娘に晴らさせてやろう』と考える自民党幹部が少なくないことです。この問題は新聞社など大手メディアの政治部も一枚噛んでいます」(同・伊藤氏)

“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏(1934~2023)や、元首相の森喜朗氏(86)が「憲政史上初の女性首相に就任させる」と小渕氏を強く後押ししていたことはよく知られている。

 これは父親の小渕恵三氏が首相の任期途中で急逝したことも大きな影響を与えている。「父が首相としてやり残した仕事を、娘が成り代わって完遂する」という“浪花節”が依然として共感を集めるのだ。

 伊藤氏によると、自民党の国会議員や大手メディアの政治部幹部が世襲議員に肩入れする傾向は、自民党幹事長など要職を歴任した河野一郎氏(1898~1965)、党総裁を務めながら首相にはなれなかった河野洋平氏(87)、そして現在、デジタル相を務める河野太郎氏(61)の3代にも見られるという。

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