小渕優子・選対委員長は次の党役員人事で真っ先にクビに…ロクな仕事もできず「自民党のおごりを象徴するような人事だった」
小渕氏の能力に疑問視
ところが連帯責任ではなく、「小渕氏の責任だ」との指摘が少なくないのだ。例えば昨年の10月、朝日新聞の朝刊に掲載された「小渕氏『選挙の顔』果たせず 世襲批判受け隠密行動 采配に批判も 自民選対委員長『初陣』」との記事だ。
昨年10月22日、衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区の衆参2つの補欠選挙で投開票が行われた。岸田首相は「2戦必勝」を掲げて挑んでいたが、長崎4区では勝利を収めたものの、徳島・高知選挙区では敗北するという「1勝1敗」に終わった。
「朝日新聞は岸田首相が小渕さんを“選挙の顔”とでも言うべき選対委員長に抜擢したのは、元首相の小渕恵三さん(1937~2000)を父に持ち、高い知名度を持っているためと解説しました。つまり応援演説で多数の聴衆を集める“動員力”に期待したというわけです。ところが衆参ダブル補選で小渕氏の知名度は充分に機能しませんでした。さらに参院補選では選対会議を高知だけで開き、移動の負担が大きかった徳島側から不満の声が漏れたことを紹介。《選挙実務者としての資質に疑問符がついた》と厳しい評価を下したのです」(前出の記者)
表舞台に立てない小渕氏
朝日新聞が指摘した小渕氏の知名度の問題だが、これには詳しい解説が必要だろう。長崎4区の補選に自民党の候補として立候補したのは金子容三氏(41)。実はこの金子氏、祖父も父親も自民党の国会議員だったという“3代目”の世襲候補だったのだ。
「今の有権者は国会議員の世襲に批判的です。そのため長崎4区の補選が告示されると、陣営側など関係者が『世襲議員の小渕さんが、世襲候補の金子氏を積極的に応援すると、批判的な有権者が増えてしまう』と懸念したのです。そのため小渕氏は選挙期間中、“隠密行動”を余儀なくされました。ここで思い出すのは5月の静岡県知事選と、6月7日に告示された沖縄県議選です」(同・記者)
自民党に対する逆風の強さから、静岡県知事選でも小渕氏は“隠密行動”に徹した。沖縄県議選でも6月3日に応援のため現地入りしたが、同じ理由から街頭演説は断念。企業関係者との面談にとどめた。
世襲は小渕氏の問題で、裏金事件は小渕氏だけの問題ではない。それぞれの選挙で事情は異なるとはいえ、複数の選挙で“顔”としては機能していないのだ。何のために小渕氏を選対委員長に抜擢したのかという話になるのは当然だろう。
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