「25歳まで酒とギャンブルはダメ」「200万~300万円の高性能PC」 師匠が明かす「藤井を泣かせた男」伊藤匠七段の素顔

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「昔は物静かでオタオタしていた」

 藤井と伊藤が生まれたのは共に02年。誕生日は藤井が7月19日、伊藤が10月10日である。5歳で将棋を覚えたのも同じで、伊藤の場合、ソフトウェア知財・法務などに詳しい弁護士の父親からクリスマスプレゼントに将棋盤と駒をもらったのがきっかけだった。そしてほどなく、自宅から歩いて行ける距離にあった「三軒茶屋将棋倶楽部」に通うように。そこの経営者で、後に伊藤の師匠となる宮田利男八段(71)が語る。

「5歳の頃から、毎日のようにここ(三軒茶屋将棋倶楽部)に来ていましたよ。最近はシュッとした顔をしているけど、当時は頬がプクプクしてかわいらしかった。今でこそ堂々としているが、昔は物静かでオタオタしていることの多い子だった」

父親に与えられた「200万~300万円の高性能PC」

 そんな伊藤少年は12年、全国小学生将棋大会の準決勝で藤井少年と対戦。敗れた藤井少年が号泣したエピソードにより、「藤井を泣かせた男」と呼ばれることもある。しかし、その藤井が16年に史上最年少の14歳2カ月でプロ棋士となったのに対し、伊藤がプロになったのは20年、17歳の時だった。

「伊藤は奨励会三段リーグの時に、父親にPCを買ってもらったんだ。200万~300万円はする、すごい性能のヤツ。伊藤が四段昇格を果たしてプロ棋士になったら代金の半額を父親に返すという約束だったらしい。それまでは私が使うような普通のノートPCで研究していたんだ。高性能のヤツに変えたことも奏功して、四段に昇格したんだろう」(宮田八段)

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