「アニソンは世界を超える」…高橋洋子が「残酷な天使のテーゼ」で“発売当時のまま”の歌唱を続ける理由

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 テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」や、劇場版主題歌の「魂のルフラン」などで知られる歌手の高橋洋子(57)。もはや自身の人生を彩ることとなったこれらの曲も、当初は「ソロアーティストとしての活動で歌った、という感じじゃなかったんですよね」と明かす。だが今では「世界で歌い続けたい」と思い入れは強い。

デビューは流れの中で

 両親が合唱団での恋愛結婚だったという高橋。「父曰く、『しゃべるより先に歌った』といわれるほど、鼻歌を結構早い段階から歌っていたそうです」というから、まさに音楽環境がそろったサラブレッドとして育った。「ピアノも父にスパルタで教え込まれて。おかげでピアノが嫌いになっちゃったんですけどね」と笑う。

 歌は大好きで小学2年から高校2年まで「東京滝野川少年少女合唱団」に所属し、ハモリの楽しさなど身をもって実感。実はこの頃、10歳で手塚治虫作品のイメージアルバムで「ふしぎなメルモ」をレコーディングした経験を持つ。2015年にはアルバム「20th century Boys&Girls II」で10歳の自分と約40年後の自分でデュエットするという、まさにアニメの内容を地で行くようなコラボも実現したが、10歳当時の高橋には思いもよらない世界だったろう。

 中学からは洗足学園に進む。クラシックの道を進むことを父は期待していたが、「友人には合わないからやめとけだの、どうせやめるんだから行くなだの言われてました」と苦笑する。

 そんな折、2つ上の姉の影響で、バンドを始めた。ミニー・リパートンの「ラヴィン・ユー」を聴いたのもこの頃。感動して、洋楽を初めて英語で歌い、インターネットもまだ普及していなかった時代にリパートンについて調べ、スティーヴィー・ワンダーに見いだされたエピソードや、乳がんで早世したもののポジティブに生きた姿勢を知り、さらなる感銘を受けた。後に同曲を1stアルバム「ピチカート」でカバーすることになる。

 結局、洗足学園音楽大学は1年で中退したものの「クラシックやロックをジャンルで分けることは不自然。ジャンルで隔てることなく好きな音楽を探して練習し、歌うという作業はずっと続けていた」という。

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