6年目「根尾昴」「小園海斗」「藤原恭大」の現在地 生真面目な性格がアダになって…専門家が指摘した“3人の課題”
藤原の課題
藤原はケガに悩まされているが、安倍氏は「藤原選手の並外れた身体能力と関係があると思います」と指摘する。
「藤原選手の身体能力は特筆すべきものがあります。俊足ですし、瞬発力も素晴らしい。バットを振らせれば、スイングスピードが非常に速いことが分かります。こういうタイプの選手は、ケガが大きくなる傾向があるのです。それだけ体に負荷がかかっているのでしょう。普通の選手なら肉離れでも、身体能力の高い選手は骨折になってしまうこともあります。似たタイプの選手が、広島の監督も務めた緒方孝市さんです。大きなケガの多い選手人生でしたが、あれは緒方さんの身体能力が高かったからなのです」
ケガに悩まされているのは事実だとはいえ、藤原がもっと活躍している姿を想像していた野球ファンは多かったはずだ。
「陸上や水泳の選手は身体能力がそのまま成績に反映されます。もちろんプロ野球選手も並外れた運動神経の持ち主ばかりですが、運動神経だけではレギュラーの座を獲得できません。野球はバットでボールを打ち、グラブでボールを捕ります。つまり“道具”を使うスポーツであり、道具を使いこなす技術力も求められます。藤原選手ほどの身体能力があれば、高校野球は“天賦の才”だけで活躍することができたかもしれませんが、プロはそういうわけにはいきません。今後の藤原選手は、どれだけ技術を高められるかに期待しています」(同・安倍氏)
野球の天才
藤原が二軍で努力を重ねていると伝えた記事がある。ベースボールキングは6月10日、「ロッテ・藤原恭大の今『フォームを固めて一軍に向けてアピールしていきたい』」の記事を配信。打撃フォームを変えてみたものの、結局は元に戻したことを伝えた。
「藤原選手が一軍の選手としてレギュラーの座を確保するにはどうしたらいいか、もちろん色々な考え方があるでしょう。ただ私は、小さくまとまってほしくないと思っています。それこそ中南米の大リーガーのように、豪快なフルスイングを特徴にした打者を目指すというのも面白いのではないでしょうか。打率は2割5分だけど、ホームランは30本以上、という選手です。いずれにしても藤原選手が優れた資質を持つ“未完の大器”であることは間違いありません。才能を花開かせてくれる日が心から待ち遠しいです」(同・安倍氏)
小園は3人の中で、頭一つ抜け出した感がある。安倍氏が「野球の天才」と見ていたことは先に触れたとおりだ。
「報徳学園ほどの強豪になると、日頃の練習試合の相手も一流校ばかりです。レベルの高い相手投手の好投で報徳のバッターが誰も打てない中、小園選手だけが難なくホームランや三塁打を打ってしまう場面も見ています。まさに生まれついての野球上手。小園選手はその野球の技術が高校時代から優れていました。名バッターは『好球を絶対に見逃さない』、『一振りで相手ピッチャーを仕留める』と言われますが、小園選手もそういうタイプの選手です」(同・安倍氏)
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