6年目「根尾昴」「小園海斗」「藤原恭大」の現在地 生真面目な性格がアダになって…専門家が指摘した“3人の課題”

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生真面目な根尾

 スポーツジャーナリストの安倍昌彦氏は早稲田大学高等学院と早稲田大学で野球部に所属し、捕手としてプレーしていた。ジャーナリストに転じてからも「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける取材方法で知られている。その安倍氏に根尾、藤原、小園の高校時代の印象を訊いた。

「根尾選手は求道者、藤原選手は身体能力の天才、そして小園選手は野球の天才、というのが私のイメージでした。まず根尾選手から話せば、彼は非常に生真面目な性格で、例えば打撃練習でも充分に良い状態なのに、なかなか満足しませんでした。私が見学させてもらうと、思いつめた顔で『もっと打撃がよくなるのはどうしたらいいですか?』と質問します。『100点満点で98点だよ』と感想を伝えると、『残りの2点を取るためにはどうしたらいいですか?』と質問を重ねてくるのです」

 自分の現状に満足しない。常に成長しようと厳しく自分を律する。安倍氏が求道者と評したゆえんだ。

「そして生真面目な選手が充分に良い状態なのに、もっと良くなろうとしていじり過ぎて、自分で自分を壊してしまう姿を、私は見てきました。高校時代の根尾選手にも似た傾向を感じていたので、プロ入りしてからも心配していました。大阪桐蔭の練習で根尾選手は当時から辛そうな表情を浮かべることがあったのです」(同・安倍氏)

根尾の本質はバットマン

 根尾は2018年11月、名古屋市内で入団に関する仮契約を結んだ。約100人の報道陣が駆け付けると、根尾は「ポジションはショート一本でいかせてくださいとお伝えしました」と説明。スポーツ紙は“堂々の脱二刀流宣言”と大きく報じた。

「根尾選手がショートを希望したことも、悪い方向に作用してしまったのかもしれないですね。ご存知の通り、捕手とショートは守備の要、難しいポジションです。根尾選手はバッティングで自分を追い込みながら、ショートの守備練習でも『もっと上手に、もっと上手に』と求道者的に練習していたのかもしれない。バッティングと守備の両方で自分に大きすぎる負荷を課してしまったことで伸び悩んでいるということは考えられると思います」(同・安倍氏)

 2022年6月、根尾は立浪和義監督と話し合い、23年以降は投手に専念することを決めた。

「根尾選手の本質は、あくまでもバットマンだと思っています。やはり外野に戻して守備の負担を軽減させた上で打撃に専念させたほうが、彼の才能がより発揮されるのではないでしょうか」(同・安倍氏)

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