タイの名物モールに「銀座駅」のなぜ? 「日本以上に日本らしい」“珍百景”に仰天 「すき家」「かつや」も出現

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日本語は聞こえず

 日本愛が詰まった東京フロアは現地若者のほか欧州、アジア系の買い物客でごった返していたが、聞こえてくる言葉はタイ語、英語、フランス語、そして中国語と韓国語ばかり。日本人が大喜びしそうなホットなスポットなのに、日本語がまったく聞こえてこない。つまり日本からの観光客がいない。円安による海外旅行回避のマインドが、ここにも如実に表れているようだった。

 それにしても、度肝を抜かれる珍百景に仰天の連続。「日本以上に日本らしい」という表現が合っているかは分からないが、もはやこれはテーマパークに近い。ターミナル21パタヤ店は2018年開業。他にバンコク市内に2店舗、ナコーンラーチャシーマーに1店舗があり、同様のコンセプトで営業している。

 30年ほど前、タレントのいしだ壱成が「タイは若いうちに行け!」とアピールするタイ航空のテレビCMが放映されていたのを思い出した。気候も文化も食も刺激的なのに、微笑みの国でもある魅惑のタイ。今回の現地ルポはこんな言葉でしめくくりたい。

「タイは若くなくても行け!」

※フロアの階数表記は現地式によるものです。

豊島ハヤト(とよしま・はやと)
早大政経学部卒業後、大手マスコミに就職。取材でアジア、ヨーロッパ、豪州などを駆け巡る。退職後、フリーライター、コラムニストに。専門分野は海外旅行や海外事情のほかエスニックフーズ、ノマドスタイル、海外移住、日本の中国・韓国人社会など多岐にわたる。月刊誌に書評、映画評のほか東京・歌舞伎町を舞台にしたアジア系移民による闇ビジネスのルポルタージュも発表。愛読書は沢木耕太郎『深夜特急』。

デイリー新潮編集部

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