相手チームをボコボコに…球史に残る“歴史的猛攻”を振り返る スコアボードに表示できなくなったケースもあった!

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NPBの「1イニング最多得点」記録

 6月4日の巨人対ロッテで、巨人が3回に9連打を含む1イニング12安打の猛攻で1イニング11得点を記録した。9連打は1996年7月9日の広島戦の2回に並ぶ球団タイ記録、1イニング12安打も阪神が1969年5月27日のアトムズ戦の6回に記録して以来のセ・リーグタイ記録だが、世の中まだ上には上がある。球史に残るビッグイニング記録を振り返ってみよう。【久保田龍雄/ライター】

 NPBの1イニング最多得点は、2009年6月11日にロッテが広島戦の6回に記録した15得点である。

 7対2とリードしたロッテは、この回も先頭の福浦和也が左前安打で出ると、1死後、井口資仁、橋本将の連打で1点を追加したあと、サブローも四球を選び、1死満塁とチャンスを広げた。

 ここで広島・ブラウン監督は、2番手・小松剛に代えてドーマンをリリーフに送ったが、これが裏目に出る。

 ドーマンは里崎智也、ランビンに連続タイムリーを許すと、今江敏晃に四球、早坂圭介に死球の連続押し出しとまさかの大乱調。この回2打席目の福浦と大松にも連続タイムリーを浴び、1死も取れずに7失点KOされてしまう。

 4番手・森跳二もいきなり代打・塀内久雄に右前2点タイムリーを打たれ、4連打で4点を失ったあと、ランビンに死球で再び満塁から、今江の遊ゴロエラー、代打・田中雅彦の中犠飛、福浦の代走で出場後、打席が回ってきた堀幸一の中前タイムリーでさらに3点を失った。

「ラグビーの試合のようだったな」

 そして、NPB新記録の1イニング3打席目の大松が右飛に倒れ、ようやく48分に及ぶ長い攻撃が終了したが、ロッテはこの回だけで計15点のスーパービッグイニング。1イニング15得点、大松の1イニング3打席に加えて、15打者の15得点も新記録、1イニング14人連続得点はタイ記録となった。

 この歴史的猛攻に、開幕以来、あと1本が出ない試合が続き、ストレスから口元にヘルペスもできたバレンタイン監督も「これまでラッキーな1本が出ずに苦しんだけど、そのラッキーな当たりが一杯出た。2009年の打線は日本記録を作れる力を持っているということ」と白い歯を見せた。

 3回に勝利を決める満塁本塁打を放ち、お立ち台に上がった今江は「僕の満塁弾は忘れられているだろうなって思った」と苦笑い。また、史上初の1イニング3打席を記録した大松は「不思議な感じでした。ただ、そのうちのツーアウトが自分。得をしたのか損をしたのか、よくわからないなあ」と複雑な表情だった。

 一方、1イニング15失点のみならず、試合も2対23と大敗したブラウン監督は「ラグビーの試合のようだったな。詰まった当たりは外野の間に落ち、ゴロは内野手の真ん中を割る」とアンラッキー続きの展開にうんざりした様子だった。

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