名門アニメ制作会社「ガイナックス」破産の真相 「庵野秀明」と「エヴァンゲリオン」がもたらした“光と闇”とは

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「他人事」でない理由

 一方で、業界内では「他人事でない」と深刻に受け止める向きが多いという。

「日本のアニメ制作会社の『4割が赤字』とのデータがあり、背景は違えど、ガイナックスのように“自転車操業”に陥っている中小スタジオは少なくない。近年は発注元のテレビ局などから下りてくる制作予算は増加傾向にあるものの、それ以上に人件費など制作コストが上昇。また慢性的な人手不足から“作画のつくり直し”などのトラブルも頻発していて、業界内で危機意識が高まっていたところだった」(業界関係者)

 さらにガイナックスの破産劇は、日本のアニメ業界が抱える「長年の課題」も映し出しているという。

「日本のアニメスタジオは、作品づくりにおいてはプロフェッショナルを育てる努力を続けていますが、経営マネジメントのできる人材まで確保しているところは少ない。ただ経営のプロに頼らない分、仕事をビジネス的観点のみで判断しない“職人肌でクリエイティビティな制作会社”を多く誕生させることにも繋がった。実際、かつてのガイナックスのような『やりたいことをトコトン追及する』会社の存在こそ、日本アニメの強みであり、豊かさの土壌にもなってきた。しかし、そのやり方ではもはや生き残ることは難しく、ガイナックスの退場は“古き良き時代の終焉”を告げているように感じます」(同)

 アニメ業界も変革の時を迎えつつある。

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