フリマアプリで拳銃入れ10万円、手錠9万円…「警察装備品」管理の実情を警察庁に聞いた 着古した制服は自己廃棄も認められている
現行制服が導入されて30年
さて、その警察官の制服だが、今年の4月で現行の制服になってから30年となる。
1994年に採用された現行制服は、男子警察官は26年ぶり、女子警察官は18年ぶりの変更だった。警察庁は3年前から現職警察官や社会人、高校生にアンケートを実施。旧制服に寄せられた「暗い」「威圧的」「重い」などの意見を反映して、ブルゾンタイプの「活動服」や、ワイシャツスタイルでの勤務も認め、制服・貸与品共に軽量化された。
だが、制服の色については警察庁装備課は当初、それまでの制服と同じ「濃いめの紺」を採用する予定だった。大きな変化は避けた方が無難との判断によるものだったが、
〈紺色に決まって間もなく、在日米軍の憲兵隊司令官が退任のあいさつのため警察庁を訪れた。その司令官の制服の色がネイビーブルー。明るく、あか抜けた色合いだった。司令官が帰って間もなく、鈴木(良一・警察庁)長官が「本当は警察官の制服も、ああいう明るい色がいいね」と感想を漏らした〉(三木賢治著『事件記者の110番講座』(毎日新聞社)より)
この発言に、警察庁幹部たちからも「同感」の声が相次ぎ、現在のライトブルーへと変更されたという。前掲書によると「向こう20年も後悔を残さないように」との判断から、ギリギリのところでライトブルーに変更になったそうだが、その「向こう20年の後悔」とは、
〈警察官の制服は一般に定着させる必要があるうえ、大量生産でコストを下げるため、いったん決定すると、なかなか変更されない〉(同)
制服変更に伴い、全国警察にあった旧制服の一部は、ODA(政府開発援助)の一環として、中東やアジアの国へ送られた。さて、その新制服も導入から今年で30年。そろそろ新制服へ変更の予定はあるのだろうか。警察庁に聞くと、
「現時点では、制服の基本デザインを変更する予定はありません」
とのことだった。