「2回目のデビューのような感じがしています」NHK「紅白」出場者が立憲民主党の国会議員になった理由

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5年前よりも……

 華々しいアカペラの経験は、今も役に立っている。

「アカペライベントを立ち上げ文化を広めていった経験は、大きな自信になっていますし、先頭に立って何かを主導するという点では、議員としての活動にも通ずるものがあると思っています。そして人前に立って何かを伝えるという意味では、議会も舞台の一つ。アカペラの舞台に立ち続けた経験がすごく活きていると感じます。ボイパ担当としてグループを支えてきた身としては、政界もうまくハモってくれたらいいなと思うんですけどね」

 しかし、5年越しの当選だっただけに、残す任期もあと1年。限られた時間をどうとらえているのか。

「任期の話はどうしてもついて回りますが、今は目の前、目の前のことに全力で取り組むことに尽きますから、その先のことまでは考えていません。とにかくこの1年、保育士議員としてだけでなく、気象予報士議員でもあり、はたまた防災士議員でもある立場を最大限活かして、多くの問題に取り組んでいきたいです」

 高校時代の卒業文集では、小説のこんな一節を引用している。

〈昼寝して待っていても、その時は来はしない。ひたすらに学び、おのれを磨いていてこそ、その時は、いつかくるのだ〉(早乙女貢著『明智光秀』)

「アップダウンの激しい人生でして、家賃2万円の部屋で毎日お腹を空かせていた時代や、音楽でなかなか芽が出ずに苦しい思いをしていた時代もありました。しかし、腐らずに目の前のことを頑張っていると、“その時”がちょこちょこ訪れていた気がします。参院選で落選したときも、絶望することなく、目の前のやるべきことを一生懸命やっていたら、こうしてチャンスがめぐってきた。5年前よりもできることは増えているし、このタイミングの当選も前向きにとらえています」

デイリー新潮編集部

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