「京葉線」は“おいしい稼ぎどころ”のはずが…小手先の「快速復活」だけでは解決しがたい構造的問題

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競争力が低下する危機感

 横浜のみなとみらい21地区は既存のJR根岸線に加えて2004年にみなとみらい線が開業し、同線と直通する東急東横線やその先の東京メトロを通じて都心からのアクセス路線が増えた。みなとみらいにはぴあアリーナMM、Kアリーナ横浜と大型ライブ会場も開業し、幕張エリアのライバルである。

 臨海部ではないが2000年開業のさいたまス―パーアリーナも有力なイベント会場で、JRのさいたま新都心駅と北与野駅を徒歩圏に持つ。

 これだけ新線や新施設の開業が続いてきたのに、幕張メッセだけが京葉線と、総武線の駅への連絡バスに頼らざるを得ない状況がある。そして前述のように、イオンモール幕張新都心やLaLa arena TOKYO-BAYの開業で、休日の行楽客はさらに増える。

 ダイヤをめぐってJR東日本に改善を求めた団体には、幕張メッセにかかわる住民や経済団体の名前もあった。イベント会場として競争力が低下する危機感が地元にはある。

 本来、競合する私鉄路線を持たない京葉線は、JR東日本にとっておいしい稼ぎどころのはずだ。それが無駄な乗り換えを増やしたり、通勤ラッシュのような混雑を日常茶飯事にしたりして、乗客に無形のストレスを与えていなかっただろうか。快速の存続をめぐる騒動は氷山の一角にすぎない。

デイリー新潮編集部

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