【追悼】女性漫才の先駆者・今くるよさんの“飾らない素顔” 「いつもあのまんまで裏表がない」「小さな仕事も一生懸命」

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「結婚もして家庭と芸を両立したらいい」後輩に励ましも

 放送作家の古川嘉一郎さんは思い返す。

「女性漫才師の看板になっても全く変わらず、いつもあのまんまで裏表がない。珍しく仲の良いコンビです。お互いの容姿をネタにしても他人の悪口は言わない」

 放送作家の保志学さんも、

「二人とも芸を選んで結婚せず、バラバラに活動もしなかった。アクの強さはなく不器用なぐらいです」

 くるよさんは97年に心筋梗塞で倒れ、2009年には公演中に意識を失い心臓にペースメーカーを入れた。それでも腹たたきを続けた。

 身内同然のいくよさんが胃がんで先立ち意気消沈。22年、吉本興業110周年の記念興行に車椅子姿で出演したが徐々に衰えた。

 5月27日、膵がんのため、76歳で逝去。

「ふたりは普段から気遣いの人でしたが、毎年3月に“ひな祭り”と称して女性芸人だけの宴会を開き相談に乗っていた。この会はくるよさん一人になっても続け、後輩を“結婚もして家庭と芸を両立したらいい”と励ました。女性芸人が活躍できる素地を作ったのは大きな功績です」(相羽さん)

週刊新潮 2024年6月13日号掲載

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