【シリア戦】急成長を遂げた中村敬斗は三笘薫のライバルに

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別次元の最終予選

 後半は交代出場の相馬勇紀が自ら獲得したPKを決めて4点目。ノールックでスルーパスを出した鎌田大地との連係もスムーズだったし、相馬はミャンマー戦では右ウイングバックで2アシスト、シリア戦では左MFでゴールと猛アピールに成功した選手の一人と言える。

 そして5点目は伊藤のインターセプトから南野がドリブルで持ち込み、カットインからの右足シュートでゴールラッシュを締めくくった。

 9月から始まる最終予選では三笘も戻ってくることが予想される。さらにパリ五輪組から合流する選手もいるかもしれない。指揮官は「前回は悔しい思いをした。最終予選は別次元の戦いになる。過去の経験を生かしてポジティブ変換したい。間違いなく厳しい戦いになる」と警戒を強めた。

 日本はホームの初戦でオマーンに敗れ(0-1)、第3節のアウェー・サウジアラビア戦も0-1で落として崖っぷちに追い込まれた。同じ轍を踏まないよう警戒するのは当然のことだろう。まして1月のアジアカップでは優勝候補の筆頭に挙げられながら、ベスト8でイランに敗退と期待を裏切った。

北朝鮮が2位に浮上

 気になる最終予選の組分け抽選会は今月27日に開催される。FIFAランクから第1ポッドの3チームは日本、イラン、韓国となりこの2か国とは対戦しないが、第2ポッドにはオーストラリア、サウジアラビア、カタールとくせ者揃い。果たしてどんな組分けとなるか。

 ちなみにグループBのもう1試合、ラオスで開催された北朝鮮対ミャンマー戦は北朝鮮が4-1の勝利を収めてシリアを抜き2位に浮上。グループCの韓国対中国戦は韓国が1-0で勝利したが、中国はタイと同勝点、同得失点差ながら直接対決の結果から2位を死守。この結果、東アジアの4か国が揃って最終予選への進出を決めた。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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