【シリア戦】急成長を遂げた中村敬斗は三笘薫のライバルに

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 北中米W杯アジア2次予選の最終戦、ホームでのシリア戦が6月11日にエディオンピースウイング広島で開催され、日本は5-0の圧勝で最終戦を飾った。これで日本は6戦全勝(1試合は不戦勝)、得点24、失点0でグループBの首位通過に花を添えた。

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 前日の会見で森保一監督が「3バックは明日のシリア戦でもチームとしてより共有を図れるように、戦術の浸透度を上げていけるようにトライしたいなと思います。そしてミャンマー戦からは選手を大幅に入れ替えて戦いたいと思います」と言っていた通り、ミャンマー戦のスタメンから堂安律と中村敬斗を除く9人を入れ替えた。

 GKは地元広島の大迫敬介、3BKは高さと強さに加え実績のある板倉滉、冨安健洋、町田浩樹。ダブルボランチは遠藤航と田中碧、ウイングバックに堂安と中村を起用し、前線は南野拓実と久保建英の2シャドーに上田綺世の1トップという布陣。GK以外は(正GKがいないため)今回招集したメンバーでベストと言える布陣である。

 初シュートこそシリアのFWオマル・アルソマに譲ったものの、すぐさま反撃して前半8分には中村の突破から久保が左足で狙ったが、これは大きく上に外れた。しかし同13分、南野のパスを受けた中村がタテに仕掛けて抜け出し、クロスを送ると、ゴール前で上田が打点の高いジャンプヘッドで先制点をたたき出した。

 中村は前半17分と33分にもタテへの突破からチャンスシーンを演出。前半で交代したが、シリア戦では一度もカットインを試みなかった。

中村敬斗の急成長

 これまでの中村はタテに仕掛けることはほとんどなく、カットインからの右足シュートを得意としていた。シリアに警戒されると予想して、意図的にカットインを封印してタテへの突破を選択したのか、あるいは森保監督に「カットイン禁止令」が出されていたのかわからないが、守備の貢献度も含めて三笘薫のライバルとして急成長を証明したミャンマー戦でありシリア戦だった。

 左ウイングバックの中村がアシストという結果を残せば、右の堂安も得意のカットインから左足で2点目を決めた。そしてシャドーの久保は、南野へのショートパスが相手のOGを誘って3点目を演出するなど前線の選手がそれぞれ結果を出した。

 後半に入ると森保監督は中村に代えて伊藤洋輝を投入。南野を左、久保をトップ下にコンバートする4BKの4-2-3-1にシステム変更した。

 その理由を森保監督は「3BK、4BKとどちらもチームとして戦術的に機能させていこうということで後半からシステムを変えた。チームとして対応力を高めようと戦術を変えた」と説明した。

 冨安の右SBへのコンバートについては「戦術的、システムのパターンで可能な限り複数のポジションでプレーすることがチームのオプションになる」と指摘。「いろんな機能でチームとして結果を出せることができた」と2次予選を総括した。

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