ネット論争を招いた性的同意サービス「キロク」 サービス開始から半年の現在地と浸透度

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有名人のニュースで登録者増も

“漠然とした不安”を払しょくするツールとしてはどのように機能するのだろうか。

「コンプライアンスの意識が高まっている中、性的同意に関するコミュニケーションがそもそも難しいという現実があります。そこで、こうしたツールを使えばスマートに格好よくできると、新しい文化の発信ができればいいと考えているんです。若い女性ユーザーからは『お誘いするきっかけの1つにできる』という声もありました。以前は雰囲気に任せていた部分ですが、女性側から『キロク』を出すとストレートなアピールになるからです」

 友人との会話で話題にしやすかったり、実際に使用しなくても質問項目を見て意識が上がったりといった点では有効だという。性的同意の有無に絡んだ有名人のニュースも登録者数の増加に作用しているようだ。現在の登録者数は1万人目前、そのうち実際に機能を使用しているのは4~5%だという。

「『登録だけしておこう』と保険的に考えている方は多いと思います。ただし、ユーザーが求める法的なプロテクトの部分とサービス意図との乖離は、今後の改善ポイントです。ユーザーは『0か100か』の感覚で“効果”を求める傾向があるので、現段階では100にならないにしても、できるだけ近づけるために機能を強化・追加していく方向性で考えています」

 登録者数の目標は年内で5万人。現在は普及とサービス向上に力を入れており収益化していない。サービス向上のために求めているのは世間のリアルな声だ。現在実施しているウェブアンケートの次は街頭アンケートを予定しているという。

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