広島新4番「小園海斗」は得点圏打率5割で驚異の勝負強さ、守備もメジャー級…大魔神・佐々木氏は脱帽
「ノーノー」の戸郷よりも強い印象が
6月3日、「月間JERAセ・リーグAWARD」5月度の大賞に広島東洋カープの小園海斗(24)が選出された。また11日には、5月度の「大樹生命月間MVP賞」にも選出された。
「セ・リーグAWARD」で小園以外で対象候補にノミネートされた選手は、5月24日の阪神戦でNPB史上89人目となるノーヒットノーランを達成した巨人・戸郷翔征(24)を始め、阪神・近本光司(29)、DeNA・東克樹(28)、ヤクルト・吉村貢司郎(26)、中日・細川成也(25)の6人。投票は小園と戸郷が同数トップとなったため、議長を務めた佐々木主浩氏(56)も投票し、小園が選ばれた。
「戸郷とも思いましたが、ベイスターズ戦での(小園が活躍した)イメージが強すぎて」
佐々木氏がこう言及したベイスターズ戦については後述するが、小園は対横浜戦で打率3割9分5厘と、好成績を残している。得点圏打率では5割。5月の成績だけを見ると、一時期は6割を超える驚異的な勝負強さも見せていた。
「対戦チーム別の成績で言えば、巨人戦での得点圏打率は7割1分4厘。阪神戦では出塁率3割9分5厘、OPS(出塁率と長打率を足し合わせた値)は8割1厘です。とにかく、チャンスに強いという印象がありますね」(NPBスタッフ)
小園は今季、「3番ショート」でスタートした。「4番」に座ったのは5月7日の阪神戦だが、甲子園球場のレフトスタンドにいた広島ファンもちょっと驚いていた。4番と言えば、一発のパワーを秘めた長距離砲のイメージも強い。小園は明らかにそのタイプではないからだ。
「もともとエンドランや右方向のバッティングは本当に巧い。ミスが少なく、こうした小技が巧い分、クリーンアップではなく、チャンスメイクバッターのイメージが強かった」(スポーツ紙記者)
4番抜擢は、新井貴浩監督(47)の英断だった。広島は当初、クリーンアップに予定していたレイノルズ(33)、シャイナー(28)を故障で欠き、そのままペナントレースに突入。堂林翔太(32)が4番を打っていたが、新井監督は小園に代えた。試合後、同監督は、「やっぱり、得点圏打率の高さが」と、小園の勝負強さに着目したことを明かしていた。
他球団のスカウトによると、小園は「育て方次第で、どんな選手にもなれる」と、ドラフト当時から評価されていたそうだ。
「何でもできるタイプ。1番を打てと言われれば、出塁を重視したリードオフマンに徹するし、3番を任せれば、走者をかえす ことを意識したバッティングもできます。本当に器用な選手。野球センスというか、高い素質を持った選手だと思いました」
[1/3ページ]