蓮舫氏が勝つための条件は「投票率65%」? 小池都知事の戦略は「選挙を盛り上がらせない」

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「選挙を盛り上がらせないような戦術」

 では蓮舫氏の“逆転”があるとすれば、果たしてどのようなケースが想定されるだろうか。

 政治ジャーナリストの泉宏氏が言う。

「この流れを押し戻すには、蓮舫が都知事に対する“もういいじゃないか”という批判を盛り上げるしかない。そうした“風”に乗りやすい無党派層を選挙に連れ出し、投票率を65%以上まで上げることができれば、彼女が競り勝つということが起きるかもしれません」

 ただ、都知事サイドもそれを見越しており、

「本来、都議会開会の5月29日に行う予定だった出馬表明を可能な限り遅らせている。そして、選挙戦が始まっても“都政に専念する”として街頭には極力立たず、徹頭徹尾、選挙を盛り上がらせないような戦術を採ると思います」(同)

 無党派層は寝ていてくれればいいとばかり、相手の土俵には乗らない戦略に出るのではないか、と指摘するのだ。

「メディア露出で差が埋まった」

 実際、立憲民主党のさる閣僚経験者も、

「小池さんが蓮舫の直後に出馬表明を行わなかったのは正解。蓮舫は肩透かしを食ったよね。やはり小池さんの方が一枚上手ですよ」

 と歯ぎしりをする。

 それでも強気の姿勢を崩さないのは、立憲民主党の都連幹事長にして、蓮舫議員の盟友として知られる手塚仁雄(よしお)代議士だ。

「出馬会見後のメディア露出によって差がさらに詰まった。小池さんと自民党は一蓮托生だという訴えが効いているように思います。本人も手応えを感じながら、今は意気軒昂に公約作りをしています」

 現職が敗北したことはない。これが都知事選の歴史である。一方で何が起こるか分からない――これもまた、首都決戦の歴史の一つである。

 後編では、小池都知事の学歴詐称疑惑と蓮舫氏の二重国籍問題、両者が抱える過去のスキャンダルについて、どちらが傷の方が深いのかを専門家に聞く。

週刊新潮 2024年6月13日号掲載

特集「たぬきときつねの化かし合い 『小池百合子』VS.『蓮舫』都知事選“5つの争点”」より

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