都知事選、事前運動「選挙違反では」の批判を浴びた蓮舫氏の陣営はまったく懲りていなかった

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露骨なビラも配布か

 立憲民主党は共産党と東京都内の多くの選挙区(都知事選のみならず都議補選でも)で共闘を図っている。阿佐ケ谷駅での街頭演説は立憲民主党が主体だったようだが、この街頭演説が行われた週末、都内の一部地域でこんな「事前運動が疑われるビラ」がポスティングされた、と話題になった。

「蓮舫参院議員 都政に挑戦!」「日本共産党も蓮舫さんを全力で応援します」と田村智子・共産党委員長の顔が入ったものだ。「7月7日都知事選」と、投開票日までご丁寧に入っており、ある自民党国会議員は「こんなに露骨なビラは初めて見た」と嘆息した。

 警視庁はこれも看過するつもりなのだろうか。

 衆院沖縄1区から選出されている共産党の赤嶺政賢衆院議員は、以前、テレビ東京の選挙特番で、公示前に自らの名前が入った幟を掲げたり、赤嶺氏の名前を連呼して支持を呼びかけたりする様子が放映された。赤嶺氏は「沖縄では他党の候補もやっている」と取材に対し、柳に風で答えていたが、こうした悪弊をいつまでも座視して警察が摘発しないから、つばさの党のように行為が過激化していくのではないか。

 早くも共産党の支持母体は各地で蓮舫氏支持を訴える集会を開く予定になっている(もちろん告示日前)。つばさの党が大暴れをして注目された東京15区補選で当選した立憲民主党の酒井菜摘衆院議員は、東京都議補選に出馬する予定の大嵩崎(おおつき)かおり・江東区議の集会に駆けつけ、大嵩崎氏とがっちりと握手をした。今回の都議補選に立憲民主党は候補者を立てていない。酒井菜摘氏を東京15区補選で共産党が支援した見返りなのだと言われている。

 ある政党が行った東京都知事選の情勢分析では、小池百合子・東京都知事が蓮舫・参院議員をリードしているのだという。その差を詰めようと、「立憲共産党連合軍」は、なりふり構わぬ選挙戦術を展開している。それが東京都民の心情にプラスに働き、「立憲共産党ブーム」をさらに加速させるのか、それとも愛想を尽かされ、ブームが止まるのかは、七夕の夜に明らかにされる。

三枝玄太郎(さいぐさ・げんたろう)
1967(昭和42)年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1991年、産経新聞社入社。警視庁、国税庁、国土交通省などを担当。2019年に退職し、フリーライターに。著書に『メディアはなぜ左傾化するのか産経記者受難記』『三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える事件報道の裏側』など。

デイリー新潮編集部

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