都知事選、事前運動「選挙違反では」の批判を浴びた蓮舫氏の陣営はまったく懲りていなかった

国内 政治

  • ブックマーク

選挙期間ではない

 総務省のHPを見てみよう。まず、選挙運動の定義はこう書いてある。

「判例・実例によれば、選挙運動とは、『特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為』とされています。」

 そして、選挙運動の期間については次のようにある。

「選挙運動は、選挙の公示・告示日から選挙期日の前日までしかすることができません(公職選挙法第129条)。違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。」

 蓮舫氏らの演説は7月の都知事選についてとしか受け止められないので「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」に当たる可能性は高い。さらにまだ公示・告示期間ではないので、選挙期間中ではないことは間違いない。

 東京都の選挙管理委員会のHP上の解説も加えておこう。

「選挙運動は、公示日(告示日)に立候補の届け出をしてから投票日の前日までに限りすることができます。それ以外の期間、たとえば、立候補届出前にする選挙運動は事前運動として禁止されています。」

 こう見ると、蓮舫氏らの活動は「事前運動」に当たる可能性は高いのではないか。

「みなさんのご支援をよろしくお願いします」、「蓮舫さんを勝たせましょう」という文言は、判例通りの「当選を目的として、投票を得、または得させるために直接または間接的に必要かつ有利な行為」に当たらないのだろうか。

都選管の見解は

 東京都の選挙管理委員会に聞いて見ると、

「違法性の判断については警察に委ねておりますので、こちらではお答えいたしかねます」

 とのことだった。

 では、過去の類似のケースを見てみよう。

 埼玉県所沢市で2023年10月に行われた市長選で、候補者の小野塚勝俊氏(52)=当選して現市長=は告示前に行った街頭演説で「市長選挙に絶対に勝ちます。みなさんのお力をいただきたい」と演説して、埼玉県警捜査2課から5月17日、公職選挙法違反(事前運動)の容疑で書類送検されている。

 小野塚氏のケースを見ても、有楽町での街頭演説は、限りなく事前運動に近いとみられても仕方がない行為だということはお判りいただけると思う。

 蓮舫氏は9日の阿佐ケ谷駅前での街頭演説が終わった後の囲み取材で、産経新聞の記者に「今後も街頭演説を続けられる予定ですか」と質問されていた。この産経記者の問題意識は極めてまっとうだと思う。

 弁護士資格を持つ枝野氏がいながら、限りなく黒に近い街頭演説を行っておいて、次の週末も直截的な文言こそ避けながらも、同じようなことをする。文言を変えたから良いというものでもないだろう。2日の演説と合わせて考えると、立憲民主党の確信犯的なふるまいは目に余る。

次ページ:露骨なビラも配布か

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。