蓮舫氏はフェアレディZで青学へ通学、小池知事は雑誌「Hanako」で…1988年は2人にとって大きな転機だった

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 7月7日に投開票が行われる東京都知事選は、立候補予定者が既に25人を超えると見られている。文字通りの大混戦だが、現時点では現職の小池百合子知事(71)と立憲民主党の蓮舫参院議員(56)の2人が最有力の候補であると見る政界関係者は多い。

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 早くも大手マスコミは《“女傑が激突”》といった図式で報道を繰り広げている(註1)。確かに2人とも知名度が極めて高い女性という共通点がある。

 ただし、世代は違う。小池氏は1952年7月15日の生まれで、同年同月に誕生した著名人を探すと、水谷豊が14日、松坂慶子が20日だ。

 蓮舫氏は1967年11月28日の生まれ。これも同じように探してみると、伊集院光が7日、原田知世が28日という具合だ。

 15歳の差が如実に表れているとはいえ、小池氏も蓮舫氏もテレビの世界で活躍することで注目を集め、それを利用して政治家に転身したという経歴は同じだ。さらに「1988年」と「1992年」が彼女たちの大きな転換点になっている。

 1988年1月1日、読売新聞は「NEWSCASTER “今”にかける女たち 『10の質問』特集」との記事を掲載した。

 記事では当時の世相を《情報の時代、女性の時代》と位置づけ、テレビで活躍する女性ニュースキャスター6人にアンケートを実施した。担当記者が言う。

「ニュース番組で原稿を読むのはアナウンサーという常識を作ったのも、それを壊したのもテレビ局でした。変化が生まれたのは1962年10月。TBSが共同通信の社会部長や文化部長を歴任した田英夫氏をニュースキャスターに抜擢し、『JNNニュースコープ』の放送を開始しました。アメリカのニュース番組におけるアンカーマン制を真似したわけですが、これが日本でも好評を博したのです」

女性キャスターの誕生

 次にNHKが1974年4月、自局の外信部長などを歴任した磯村尚徳氏をキャスターに起用して『ニュースセンター9時』をスタートさせた。こうして日本でも男性のニュースキャスターは珍しくなくなったが、女性キャスターの誕生は1980年代まで待つ必要があった。

 女性キャスターの先駆者と言われるのは、当時、フジテレビの局アナだった田丸美寿々氏だ。田丸氏は1978年10月から同じくフジの局アナだった逸見政孝氏と共に「FNNニュースレポート6:00」のメインキャスターを務める。さらに、80年5月からは日本テレビの「NNNきょうの出来事」でジャーナリストの櫻井よしこ氏がメインキャスターを務めた。

「さらに大きなインパクトを与えたのは、テレビ朝日で1985年10月から始まった『ニュースステーション』が視聴者の支持を得たことです。この成功を見た民放各局は、報道番組に力を入れるようになりました。そのため女性キャスターの需要が増え、視聴者の関心も高まったのです」(同・記者)

 こうした“女性キャスターの台頭”を反映したのが、冒頭で紹介した読売新聞の記事だ。アンケートに回答した6人の女性キャスターは次のような顔ぶれだ。

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