“27歳で無職”になった「ネットニュース編集者」は、なぜ“1億円”貯められたのか…無駄遣いマインドを激変させた“方法”

国内 社会

  • ブックマーク

精神安定のため

 後期高齢者になってまで仕事をしろ、とは言わないものの、毎月少しでも貯金が増えるような働き方を70歳ぐらいまではしていいのではないだろうか。そこから先は使い続ける人生でもいい。だが、いわゆる現役世代の人間は人生の最大級の目標を「貯金額をキリの良いところまで増やす」をやり続けるのは悪いことではない。

 貯金が増えることというのは、自分が社会から認められていることをも意味する。「宵越しのカネは持たねぇ!」と散財する人生もアリといえばアリだが、いつ大ケガをするか分からないし、自分の仕事のやり方が通用しなくなる時代が来るかもしれない。

 貯金の額を把握し、次の目標を持つという一見セコい小市民的なマインドは実は自身の精神の安定のために重要なことなのだ。段階的な目標を次々とクリアできた人間は強い。日々の生活にかかるカネを心配する人生ほどストレスフルなことはない。刹那的な快楽よりも貯金によってもたらされる心の安寧を重視すべきである、と齢50にして思う次第である。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。