“27歳で無職”になった「ネットニュース編集者」は、なぜ“1億円”貯められたのか…無駄遣いマインドを激変させた“方法”
お金を貯めたいと思ってもなかなか貯まらないと嘆く人もいるだろう。そんな方々にお勧めしたい“貯めるためのマインドにする方法”がある。それは「貯金の目標額を設定し、その額に到達したら喜びを噛み締める」ということだ。そのささやかな喜びを一度経験すると、さらにその先の目標を設定し、結果的に無駄遣いが減って貯金のペースが加速するのである。【文・中川淳一郎(ネットニュース編集者)】
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目標に向かってコツコツと
今年に入ってから複数持っている口座のうちの1つの残高が1億円を超えた。私は4つ口座を持っており、さらには株の口座、自身が経営者である会社の口座もある。会社の口座については女性社員に管理を任せているため、そちらは見ていないが、7年ほど前に「社長、1億円突破しましたぜ!」と嬉しそうに通帳を見せられたことがある。他にも弊社には財産はキャッシュ以外の形で存在する。
彼女はそのことを非常に喜んでおり、「これからも仕事頑張るぞー!」と語っていた。それ以来、「なるほど、目標を設定してそこに向けてコツコツと働けばいいのだな」ということが分かった。
別にこれは10億円や20億円という膨大な額でなくてもいい。現在1万円しかない人はとりあえず10万円を目指す。50万円ある人は100万円を目指す。1500万円ある人は1600万円でもいいし、2000万円でもいい。キリの良い金額を目指すことを決め、日々の仕事をこなし、無駄遣いをしなければその目標はクリアできるのだ。
元々、児童・生徒・学生時代には誰しも目標があったはずだ。それこそ中間テストや期末テストで順位を上げること、部活でレギュラーを獲得すること、希望する学校に入学することなど様々である。しかし、社会人になると営業成績などのノルマはあるものの、生徒・学生時代ほど個人的な達成感を得る機会は減ってしまう。
社会との接点
そんな中、「貯金額」というものは案外、達成感とやりがいに繋がる指標なのである。私は27歳の時に会社を辞めて無職になった時、貯金が減る一方の生活をした。その時に焦りを感じた。知り合いのツテでなんとか仕事は獲得したものの、初年度の年収は60万円。貯金は当然減ったが、この時は不安で押しつぶされそうになった。
「コレはちゃんと働かなくちゃマズいな……」という気持ちになれたのである。翌年は年収400万円になり、貯金は少しだけ増えた。この時にゲーム感覚ではあるものの、「スコアが増えて嬉しい」といった気持ちになったのだ。以後、着々と年収は増え、貯金も少しずつ増えていったが、1000万円を超えてからは「さーて次は2000万円だ」「よし、5000万円目指すぞ」といった形で仕事へのやる気が増えていった。
現状この口座には1億100万円ほどあるが、次は1億1000万円を目指すこととなる。一方で、さっさと仕事をやめたい気持ちもある。何せもう一生分の蓄えはあるのだから。とはいっても、仕事をしないとヒマになってしまうし、社会との接点も失われる。人間とは社会性を持った動物であり、社会との接点を持つことこそ個々人の存在価値だと今は考えている。
そうした接点を持つための手っ取り早い手段が「仕事をする」なのだ。人が仕事をする意味を考えた場合「生活のため」「生きるため」といった答えがすぐに出るだろう。だが、「社会性を保つため」という非常に重要な要素が仕事には含まれているのである。
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