「義援金5万円が分配されていない人も」 被災地の「輪島朝市」で泥沼内紛が起きていた

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“あいつらは信用できん”

 実際、その組合員に聞くと、

「5万円が配られていると聞いて、応援する会に電話をしたら“あなたは名簿に入っていません”“この3年間は出店していませんでしたから”と言われた。コロナ以降は確かに出店していませんが、きちんとお金も納めていました」

 A氏が続けるには、

「各地で行っている『出張朝市』だって、現組合長や取り巻きに都合のいいお店だけが声をかけられている。それはほとんど『応援する会』の連中なんです。声がかかっていない一般の組合員からは“あいつらは信用できん”との声が上がっています」

 さらには、

「私が3月、自分の店の前で炊き出しをしていたら、組合のメンバーが妨害に来ました。また4月に、福祉団体が主催する復興イベントにNPOで出店した時のこと。組合側のメンバーが主催者に“NPOを参加させるな”“させるのなら『輪島朝市』の看板を下ろさせてくれ”と申し入れをしてきたんです」

 想像以上のいがみ合いだ。

 現NPO理事長である、B氏に聞いても、

「組合は、一部のメンバーだけでなく、全員一体で運営を進めてほしい」

 と言葉少なに語るのである。

 後編では、告発をされた側の「NPOの言っていることは事実に反する」という反論を紹介しながら、朝市で起きている“内紛”の全容を報じる。

週刊新潮 2024年6月6日号掲載

特集「復興は夢のまた夢…能登のシンボル『輪島朝市』で『訴訟合戦』『罵り合い』『義援金分裂』の泥沼内紛」より

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