「500万円で買ったが、1万5000円でも売りたい…」 ハワイのホテル所有権が大暴落のウラ事情

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 超円安のいま、ハワイを旅行しようと思えば宿泊代だけで1泊6万~7万円はかかってしまう。ところが、そのハワイで買い手がつかないホテルが続出しているという。

〈ハワイ年7泊の権利 重荷に〉

 朝日新聞がこんな記事を載せたのは5月26日のこと。それによると、大阪に住む男性が、ワイキキにあるホテルの一室の所有権を13年前に購入。価格は約500万円で1年のうち7日間滞在できる権利だ。これは、タイムシェアといって米国では一般的なシステムだという。数百万~1000万円前後で購入でき、キッチン付きで100平方メートル近い部屋もある。ヒルトンやマリオットなどの大手も手がけており、最近では沖縄にも登場している。

約7万5000円の部屋も

 記事によると、コロナ禍と大病で男性はハワイに行けなくなったが、それでも所有権を持ち続けていた。ところが最近の円安と物価高で管理費など年間負担額が30万円を超えるように。そこで手放す決意をしたのだが、何百件という売却希望に対して、数件しか売れない月もあると聞かされがくぜんとする。100ドル(約1万5000円)でもいいから売りたいと男性の妻がこぼす、と同紙は伝える。

 実際、記事に登場する不動産仲介会社「くじら倶楽部」では、ヒルトンなどの新規売却受付を休止しているが、他の不動産会社の物件リストを見ても、1000ドル(約15万円)や500ドル(約7万5000円)の部屋が結構ある。これも投げ売り物件なのだろうか。

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