「トイレの奇麗さ」は要チェック、看板に隠された情報は? プロが教える「かかりつけ医」の見つけ方

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「効率的な診療体系」を徹底している国も

 実際、海外にはこのような「効率的な診療体系」を徹底している国もあります。

 例えば、イギリスでは地域ごとにGP(General Practitioner)と呼ばれる“かかりつけ医”が存在し、GPが紹介状を書かない限り専門医を受診できない仕組みになっています。地域ごとに受診できるGPは決まっていて、患者の側で医者を選ぶことはできません。GPはその地区の患者を一括で引き受け、患者の数に応じて包括で報酬が支払われる。このシステムは「効率的な診療体系」という意味では非常に理想的です。

 ところが、問題はGPにも当たりハズレがあるということ。自分が住む地域のGPの腕が悪かったり、相性が良くなかったりすると、患者は大きな不利益を被ることになってしまいます。

 その点、日本ではどの医者にかかるかは患者が自由に選べる「フリーアクセス」。原則として、住んでいる地域や症状で特定の病院への受診を強制されることはありません。

三つの裏ワザ

 確かにフリーアクセスには弊害もあります。大した症状ではないにもかかわらず、患者が自己都合を優先して時間外対応の救急外来を受診しようとする「コンビニ受診」などはその典型例といえます。ただ、この「フリーアクセス」を逆手にとれば、患者の側はいろいろな個人医院やクリニックを「お試し」で受診できる。もちろん、同じ症状でいくつも病院を受診する「はしご受診」はいけませんが、これからお話しする「裏ワザ」を使えば、気になる病院の先生のキャラクターや、ご自身との相性を見極めることができるのです。

 裏ワザの一つ目は、健康診断などを利用する方法です。会社員の方は会社の指定する医療機関で健診を受けることが多いと思いますが、自営業の方や定年退職された方は街のクリニックや医院でも健診を受けられることがあります。健診は全国で標準化されていますから、正直なところ、どこの病院で行っても結果は同じ。この機会を利用して病院や医者の雰囲気、相性をチェックするのです。

 二つ目の方法はワクチン接種です。新型コロナウイルスやインフルエンザ、さらに少し前に話題になった麻疹などのワクチン接種や抗体検査を、気になっている病院で予約してみるのです。ワクチン接種や抗体検査も病院によって多少料金の変動はあるものの、基本的にどこで受けても同じ効果が得られます。

 最後は風邪や膀胱炎など命に別条のない症状があるときに、気になった病院を訪れる方法です。

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