市川猿之助を何とか復帰させたい…松竹の相談に乗っている重要人物の素性 市川中車・團子は虎視眈々と
水面下で進んでいる猿之助復帰計画
市川猿之助の衝撃の“一家心中事件”から1年が過ぎた。昨年11月に下された判決は懲役3年・執行猶予5年。現在は“謹慎中”の身だが、それでも少しずつ、日常の様子が伝わっている。甥の市川團子が、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」に出演するにあたって個別指導したと明かされたほか、愛犬を連れて近所を散歩している様子なども写真入りで報じられている。
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だが、それらのなかで少々気になったのが、“猿之助(四代目)復帰計画”にまつわる一部報道だった。
猿翁(三代目猿之助)の現役時代にスーパー歌舞伎のプロデューサーなどをつとめ、澤瀉屋を取り仕切っていた人物が、四代目の復帰に向けて動いているというのだ。
「その人物とは、三代目の二度目の奥さんで、舞踏家・藤間紫さんの息子、Fさんのことです。紫さんが、最初のご主人・六世藤間勘十郎(のちの二世藤間勘祖)との間にもうけた息子で、現在70歳代。三代目全盛期を陰から支えた、総合マネージャー兼プロデューサーです。四代目不在のいま、すぐに『ヤマトタケル』を再演できるのも、キチンとした“パッケージ”として残しているからで、まさにFさんの功績なのです。おそらく、この2月初演予定だった『鬼滅の刃』が中止となった時、代替公演に『ヤマトタケル』を提案したのもFさんだと思います」
と解説してくれるのは、ベテラン演劇ジャーナリストである。
「ただし、Fさんはすでに歌舞伎界とは縁を切っており、悠々自適の生活をしているはずです。それだけに今回の報道は、少々大げさだと思いますが、あながちデマともいいきれないんですよ」
黙して語らないFさんにかわって、内部事情に詳しい、さる松竹関係者が語る。
「たしかにFさんは、もう歌舞伎界とは無縁の立場です。しかし、時々、松竹幹部と連絡をとっていることは事実です。というのも、松竹としては、なんとしても執行猶予があける5年後に四代目を復帰させたい。それにはどのように進めればいいか、古くから澤瀉屋の内情に通じているFさんに、アドバイスを求めているのです」
松竹は表向き、四代目の復帰に関しては、「まったくの白紙」だと言っている。
「とんでもありません。可能なら、松竹はいますぐにでも復帰させたいでしょう。しかし、さすがにひとが命を落とす事件を起こしてしまった以上、そうはいかない。そこで、今年は中村萬壽・時蔵・梅枝の萬屋三代襲名、来年は“W尾上菊五郎”と、とにかく話題をつくって引っ張る合間に、四代目復帰を模索する。その相談にFさんが乗っているようです」
事件のあと、松竹がもっとも心配していたのは、四代目が自暴自棄になって役者をやめてしまう――つまり〈猿之助〉の名跡を松竹に預けてしまうことだったという。
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